STEP39【無慈悲な殺戮劇】＿No side ページ34
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悪役は静寂が満ちるその一室で美しき少女を腕に抱いていた。
悪役は少女の顔にかかる前髪を丁寧に退けた。
悪役は幸せそうに眠る彼女をベッドの中に寝かせると、優しい微笑みを浮かべた。
「……おやすみ、リーア。ごめん、やっぱり俺はアイツが許せない。だから、少しだけ待っててよ。やる事やって、全て終えたら──」
「──あんたの元に行くよ」
悪役は割れ物を触るように少女の頬を撫でると、彼女の閉じた瞼に一つ、口付けを落とす。
そしてその場から立ち上がり、彼はベッドから離れると、床に落ちた刀を拾い上げ、この部屋の扉の元まで向かった。
「俺は悪役だ。悪役にハッピーエンドは有り得ない……なら、」
──それを破壊すればいいだけの事。
その時、目立ちたがり屋の望月が黒い雲に隠された。
…
「──ぐぁぁぁぁあああああ！！！」
泣き叫ぶ、悲惨な声が鳴り響く。
「や、やめてくれっっ！！グハッ…あ…がっ！！」
無様に転がる人間だったガラクタを踏み付ける。
「こ、こちら西棟ろ──ッグガッあ、あ…」
突き刺し、首を跳ね、腹を切り裂き、心臓を抉る。
そんな地獄のような場面で顔色一つ変えずに、血を浴びた青年の瞳は既に散らばる死体よりも死んでいた。
「お、お前……！！A=アンデッド！！なんで此処に居るんだよ！！お前は……お前は…！！今W国の地下牢に居る筈だろっ！！」
滑稽にも床を這いつくばりながら逃げていた男の首筋に刀を突き刺し、慈悲なく殺した青年は、ふと後ろから聞こえた声の方に刀を抜きながら振り返った。
その威圧と殺気に耐えきれず、思わず「ヒッ…」と声を荒らげた男は尻もちを着き、体をガクガクと震わせながら涙を浮かべている。
「………あぁ…お前か。お前がグルッペンに毒盛った犯人か」
「ひ、ヒィィイ！！た、助けてくれっ！！」
「……？…何故？どうして俺がお前を助ける必要がある？お前がやったんだろう？お前が「幸せ」な時間を打ち壊したんだろう？」
「違う！！俺は言われてやったんだっ！！お、俺は悪く──」
「そうか。じゃあ死ね」
「──ッグガッあ、…あ、あ、あああああああぁぁぁ！！！」
青年は男を見下ろしながら、彼の喉仏に刀をグリグリと突き刺す。まさに言葉を聞かず無慈悲で残酷な情景だと誰もが言うだろう。
「……あぁ…しまったな。殺しちゃった。コイツの親と愛人、子供からコイツの前で殺してやればよかった」
ガラクタ化した人間の喉仏から刀を抜くと、刀に着いた血を振り払う。
顔色は無のまま、変わらない。
「──ま、いっか。どうせ皆殺しだ」
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あまやみ。(プロフ) - 星降春さん» ありがとうございます！さて第四部では作者は星降春様を感動させる事が出来るのか！笑お言葉嬉しいです！応援の元頑張ります！ (2021年3月7日 20時) (
レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
星降春(プロフ) - 第三部完おめでとうございます！もう、最高ですか！？第四部が楽しみすぎて夜も寝れません笑。確実に泣いちゃいますね、第四部。どうか，アンデット君が報われますように。 (2021年3月7日 18時) (レス) id: a283d6b201 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 奈飴亜さん» え、本当ですか！？ありがとうございます！！そう言って頂けて本当に心が嬉しくて叫んでます笑期待にお答え出来るよう頑張ります！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 地稲さん» ありがとうございます！いやもう地稲様の貴重なお言葉を頂けるだけで本当に嬉しいです！！何より楽しんで頂けているとお聞きできて、あぁ、書いてて良かったなと思えました！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - ハクグンさん» ありがとうございます！もう自分が作中で伝えたい事を読み取って下さってくれていて感激です！！気まぐれペースが続くと思いますが、どうぞお楽しみ下さい！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまやみ。 | 作成日時：2021年2月20日 13時
