錦戸くんと恋をするなら

道端大喧嘩 ページ12

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「ていうかすばるくんなんであんなこと聞いたん」


「あんなこと？」


「亮ちゃんと付き合ってるん？って」




すばるくんは、あぁ…と呟いて
ビールを一口含んだ。




「そうなんかなぁって思ったから」


「なんで」


「なんでって、知らんわ。仲良さそうに見えたんちゃうん？」


「仲はええけども…」




亮ちゃんって良くも悪くも
距離感おかしいときあるからな…


チャラい子やし。




「ちゃうん」


「ちゃうで？！全く！ほんまに！」


「ふーん」




すばるくんは興味なさそうに呟いて
メニューを開いた。


スピードメニューのページ。


すばるくんの目線的に
多分狙いは枝豆だろう。


肉もよう食わんし、ほんまおっさんになったなぁ。


とか言ったらきっと
すばるくんは怒るんだろう。




その日は金曜日ということもあって
店は超満員。


2時間で放り出された。




「どうする、このあと」


「飲み直すやろ？」


「ほんま好きやなぁ、酒」


「酒豪みたいに言わんといてよ！それにそんな飲んでないやろ？今日」


「あいつらおらへんからな」




空いている店を探しながら
すばるくんと並んで歩いていたとき、


ふいに肩に手が乗った。




「わ、亮ちゃん」




めっちゃキレてるやん、なに……


すばるくんも亮ちゃんに気づき、
「むっちゃ怖い顔してるやん」と小さく笑った。




「再来週まで空いてないんとちゃうん？！！」


「は？！」


「めっちゃ腹立つわ！！！」


「なんでやねん！！すばるくんとの先約があっただけかもしれへんやろ？！！」


「その言い方はちゃうんやろ？それにこないだん時そんな素振り見せてなかったやん！！！」


「ちゃうけど！亮ちゃんと約束したあと、今日空いたからすばるくんと飲んでるだけやん！それのなにがあかんの？！」


「空いたんやったら俺誘えばええやん！！！」


「亮ちゃんとはもう約束してたやろ？！」


「再来週やで？！別にその間にもっかい飲んでもええやんか！！！」


「意味わからんわ！！」


「こっちのセリフやわ！！！」




道端で始まった大喧嘩に
道行く人からの視線が痛い。


そして隣のすばるくんからは
楽しそうな笑い声が聞こえてくる。




「仲良しやなぁ」


「仲良くないわ！！」
「当たり前やろ？！」




ハモった言葉に亮ちゃんがまたキレるのは
言うまでもないよね。




「仲ええやんか！！！」






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