続・女子高生は異常パロを男子高校生に当てはめてやってみる ページ22
「コアラちゃあああーん」
「コアラちゃああーーーん!!」
止める間もなくサッチとエースが庭に出てコアラを呼んだ。こういう時のエースは完全に悪ノリしてくる。
コアラがベランダから見下ろしてきた。
「どうしたの？」
「なぁんで死なないのぉおおおおお？」
「なぜそうまでしていきようとするのぉ？」
「のぉ？」「のぉ？」「のぉ？」
……まずい。こいつら何回コアラにボコボコにされてると思ってるんだ。
案の定コアラは顔をどんどん曇らせていき、部屋の奥に引っ込んでいった。
「あんだぁテメェエ!!降りてこいゴラァアア!!」
「メンタル弱い振りしてんじゃねぇぞこのゴリラ女がよォおおおお!!」
「泣きまねすりゃ社会が助けてくれるなんて考えてんじゃねぇ!!」
もはやコアラ単体への悪口だ。まったく見てられない、アイツがそんな軟な神経な訳ないだろ。
目には歯を、歯には牙を主義だぞアイツは。
「テメェはこの小説出すぎなんだよ!!」
「出番減らされてぇのかコノヤロー!!!」
そうしてコアラがベランダにもどってくる。
その手から、お菓子の箱が一つが落ちてくる。
エースとサッチの目にはそれがスローモーションのように映った。
二人同時に飛び上がる。
「テメェ!!寄越せよ!!」
「残念でしたぁ、俺が先にとったんですぅ、俺のもんですぅ」
「勝手なこと抜かしてんじゃねぇぞ!!俺空中でお前にぶつかられた!!」
「だったら俺は飛ぶ前にお前に足踏まれた!!」
「だったら俺はお前に手をひっかかれた!!」
見苦しい、実に見苦しい争いだ。
「小学生どころか動物園のサルももっと知的な争い方するぞ。おめーら惨めじゃねぇのかよ」
二人が野良犬のような目でこっちを睨んできた。
「とらねぇよ別に!!!!」
「まずい、コアラがこっちにくる!!」
「どうすんだ、逃げるか？」
「逃げられるわけねーだろ!屋根飛び越えてくる奴だぞ!!謝れ！誠心誠意魂を込めて謝るんだ!謝罪はどんな奴にも通じんだろバカやろー!」
「どんなやつってか、なんかコアラ機嫌悪いぞ!!ありゃもう人間じゃねぇ、本格的にゴリラだ!!」
「じゃあお前ゴリラ語で謝れよ!!なんかウホウホ言っときゃ大丈夫だろ!!」
「煽ってるようにしか見えねぇだろそれ!!殺されるぞ!!塵も残らねぇよ俺たち!!」
多分コアラちゃんはサバサバ系で人を貶めたりするタイプじゃないと思うけど、サボエースサッチにいろんな迷惑かけられて大変そう。
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作者名：piece OF cake | 作成日時：2020年12月5日 1時
