隣にいること

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*nakama*







Ns「先生、さっきの患者さんで午前は終わりです。もう12時半過ぎてるのでお昼休憩行ってきて下さい。分かってると思いますけど、午後の診察開始は13時半ですからね」


中間「え、…待合に誰も居らん？」


Ns「いませんよー。それより、今日はお昼の時間30分以上ありますよ、先生。よかったですね。じゃあ、お先です」






そう言って、俺の外来を担当してくれてるナースの市村さんは颯爽と診察室を後にした。


、、、照史のやつ！


昨日の夜、笑い過ぎで照史を診察しようとしたのは、ただのこじつけに過ぎない。

あの程度のことは喘息の患者さんにはよくあることで、よっぽどのことがない限り、大事には至らん。

ただ、あぁでもしない限り、照史は診察させてくれへんからなぁ。



仕方ない、こっちから行ってやるか。

消化器内科の外来診察室は、呼吸器内科の外来診察室と同じフロアにある。というか、ほぼ隣。

必要最低限のものだけ持って行けば、待合室のソファーにはまだ診察待ちの患者さんの姿が。そして、電光掲示板には【14番】という番号。

、、、あいつ、午前外来だけで14人もの患者さんを診るんか?!






Ns「14番の方ー、第二診察室へお入りく…中間先生？あ、松田さん、どうぞー。中間先生、桐山先生ならまだ診察中ですよ？」


中間「そうみたいやね。まだ時間かかる？」


Ns「今の患者さんで最後なんで、20分もあれば手が空くと思います。知ってると思いますけど、桐山先生の外来すごく長引くから。これでも、9時前から診察は始めてるんですけどね…」







最後の患者さんを呼びに診察室から出てきたのは、顔なじみのナース。

俺を見るなり照史の名前を出してくるあたり、頭が上がらへんわ。


にしても、すごいな。

午前外来の診察開始は9時。どう頑張ったって、診察には一人当たり15分はかかるやろ。そんなん終わるわけないと思っとったけど、9時前からやってるんか。

第一診察室の診察がすでに終わってるってことは、照史を指名してる患者さんなんやろう。






桐山「倉木さーん、どうしたんー？って、淳太君…！あー、ごめん。午後でもええ？」


中間「わかってる。時間できたら連絡してな？」




ナースを呼びに診察室から顔を出した照史が、俺を見るなり表情を変えた。約束は覚えてたみたいやな。




Ns「すみません、すぐ戻ります。…中間先生？」


中間「ちゃんと見といてくれる？」


Ns「了解です」





ホンマ、頭が上がらんわ。

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