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『ハウスやエマ達のことでしょ。わかってるつもりだよ。手短に話そう』

レイ「そうだな。まずは俺の作戦だ。この冬にでもハウスを脱獄する。今日はその一歩目だ」

驚いた

まさか脱獄するとは思ってなかった

でも、それなら今までのことに納得がいく

レイ「お前ならエマ達に言わないだろうから言っておくが、俺はママの内通者だ」

『...は?』

レイ「俺は六歳の頃からママの内通者として子供達を見張ってきた。そして、内容に応じて報酬を貰った。全て、脱獄に必要なこととしてな」

『へぇ...驚いたよ。』

レイ「で?お前は?なぜハウスの秘密を知っている?脱獄する気はあるか?」

『する気はあるかって、どうせさせるんでしょ?でも残念。私は脱獄しない。』

レイ「...は?なんで?いや、連れていく。セラもエマもノーマンも生かす。命令だ。脱獄しろ」

『聞けない。どうせレイもここで死ぬつもりでしょ。床下のガソリン、あれはレイのもの。前から気づいてたけど、なんのためにあるのか分からなかった。でも、今分かった。レイはハウスと自分に火をつけて私達を逃がすつもりでしょ?』

レイ「...よく分かったな」

『それに、私は運命に逆らわない。お兄ちゃんが死んだ場所で私も死ぬ。』

レイ「お兄ちゃん?誰のことだ?兄はたくさんいる。」

『あぁ、そろそろエマとノーマンが帰ってくるよ。予定では、ハウスの秘密を知って帰ってくるんだよね?じゃあ私は寝るから出迎えよろしくね』

レイ「秘密は」

『他言禁止。』

レイ「あぁ」

『お休み』

レイ「お休み」

そういって私は図書室を出る

寝室に戻り、布団にはいる

それまでの間、ずっと考えていた

"脱獄"

今までは不可能だと思っていた

よく森に入る私は森の奥を知っている

柵の先、塀があって、崖があって、そして、森

全てを知った私は脱獄は不可能だと考えている

あの絶望を、覚えている

無駄な足掻きは必要ない

お兄ちゃんが死んだこの場所で私も死ぬ

私は9歳の時からそう考えていた

でも、エマ達なら...

そう考えながら眠りについた

その頭の片隅に、1つの可能性を隠して_______

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(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます!! (2020年1月12日 16時) (レス) id: fe5bdcf85c (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - 面白いです!頑張って下さい!! (2019年12月4日 17時) (レス) id: e5389fce93 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ネギトロ81194さん» すごく嬉しいです!!頑張るつもりで頑張ります! (2019年10月13日 12時) (レス) id: f4a233b79b (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ81194 - 面白い…最高…神…好き…更新頑張って下さい! (2019年10月10日 15時) (レス) id: 0e7815ed8c (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 碧さん» うん…本当だった… (2019年9月16日 10時) (レス) id: a124146768 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年5月2日 21時

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