*～箱～*〈約ネバ〉 (ページ33)

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私はその本を１ページずつ、頭にしっかりといれながら読み進めていく

読めば読むほど、謎は深まっていった

この約束のネバーランドという漫画では、コニーが出荷された日から始まるハウスでのことがすべて物語としてあらわされていた

その本は、どうやら15巻まであるようだった

ちなみに私はまだ一巻の途中までしか読んでいない

この部屋にあった本棚はそれなりに大きく、沢山の本が入っていた

だが、その本は全て漫画や小説ばかりだった

一冊一冊確認してはてきとうにまわりに置いておくと、すぐに私のまわりは漫画や小説でいっぱいになっていた

とりあえずその本をおいたままにして、約束のネバーランドを読み続けること約10分

また、扉の向こうから誰かの足音が聞こえてきた

それも、二人分(・・・)の

片方はパタパタと幼げな足音、もう片方はゆったりとした足音だった

２つの足音は扉の向こうでとまり
　
　
　
　
大きな音と声とともに扉は開かれた

夢(ﾕﾒ)「おっはよー！朝だよ！おねーちゃん！」

彩花(ｱﾔｶ)「もう、またこんなに散らかして...ほら、片付けるよセラ。」

勢いよく飛び出してきて私に飛びかかってきた女の子をかわし、そのまま少し離れてすぐに逃げられる体勢になる

その体勢でぽかんとした二人を見る

飛びかかってきた女の子は小柄で、高いところでツインテールにしている黒髪はまっすぐに下に垂れていて、いかにも年下という感じだった

もう一人の女の子は私より少し背が高く、まっすぐな黒髪は肩につくかつかないかの長さで、なんだか落ち着いた雰囲気だった

その二人を見たとき、頭のなかに沢山の［記憶］が流れてきた

その正体はすぐにわかった

その［記憶］はこの世界の自分の記憶だということ

その記憶には、二人の女の子のことも入っていた

『彩花？夢？』

彩花「ん？どうしたの？」

夢「なんか今の動き、お姉ちゃんじゃなかった...かっこいい！！」

そういってまた小柄な女の子は私に飛びかかる

『ちょっと、夢、やめてよ！彩花もとめてー！』

ほぼ自然に口からは女の子の名前がでていた

これが［普通］なのだとでもいうように

何度もセラに飛びかかる夢

それをかわすセラ

こちらを見ながらも散らかった本を直し始める彩花

静かだった部屋に、二人の少女の声が響いた

そんな中でも、セラは記憶を探り、今の自分の状況を整理していた