*～箱～*〈約ネバ〉 (ページ21)

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え？

ユウお兄ちゃん!?

私が慌ててそちらを見ると、ユウお兄ちゃんは、いたずらっぽく笑って人差し指を口の前でたてた

その様子は、私のよく知っているユウお兄ちゃんだ

どういうことだろう？

ﾉｰﾏﾝ「誰!?」

突然、そんな声が聞こえた

まさかと思い、ノーマン達がいたほうを見ると、三人が私のほうを見ていた

ｴﾏ「セラ？」

『あーあ、ばれちゃったか～』

仕方なく、少しの笑顔を顔にはりつけてエマ達の近くにおりる

ﾚｲ「どこから聞いてた？」

『少しは聞いてたけど、最後のほうは聞いてなかったね。ま、聞いてなくても大体何話していたのかわかるんだけどね』

ノーマンとレイは少し、エマは凄く驚いたような顔でこちらを見ていた

その顔が久しぶりで、面白くて、久しぶりに楽しい気分になるのを感じた

『私も一応同じ年長者だよ？私にも話してくれればよかったのにな。長年一緒にいた家族でしょ？それにさ...』

ｴﾏ「セラ？本当にセラなの？」

『...え？』

ｴﾏ「だって、いつもと違う」

『そう？多分、ユウお兄ちゃんが帰ってきてくれたからかな。覚えてる？私がみんなと遊ばなくなったのがいつだったか』

ﾉｰﾏﾝ「たしか、9歳の頃...?」

その返答に小さく頷いて笑顔をみせた

『そう。あの日はユウお兄ちゃんが里子(・・)に出された日。私、その日の夜、こっそり門に行ったんだ。』

ﾉｰﾏﾝ「そこで僕らと同じようにハウスのことを知った？」

ﾚｲ「なんでその時相談しなかった？そのままかえすぞ。」

彼は、いたずらっぽく笑った

ﾚｲ「長年一緒にいた家族だろ？」

その言葉を正面から聞いてしまえば泣いてしまう気がしたんだ

私はその言葉を"自分という箱"の外に追い出した

『残念だけど、その時は無理だったよ』

ｴﾏ「なんで？」

『だって、それほどの能力がまだ無かったし、準備ができていなかったし、信じてくれるかわからなかったし...私、それが運命なら受け入れようと思ったもの』

少しの沈黙が流れた

きっと、私がしようとしていたことを理解したのだろう

『あ、こんなことになったけど、ハウスではいつもと同じように接してね。』

そう言ってみんなから離れた

そして、三人と話している間、ずっと手招きしていたユウお兄ちゃんの方へと、歩いた