Dracula La＊４

▽ Yside ページ41

あの後、スタジオでAから貰ったチョコレートケーキを食べた。



…もちろん美味しかったけど。

なんだか複雑だった。






リハを終わらせ、受付に鍵を返しに行くと、もう既にAはいなくて。



…用事ってなんだよ。





.





一人寂しくマンションに帰ってきて、鍵を取り出しドアを開けると




「…え、」


玄関にAのパンプスが。




「あ、洋平さんおかえりなさい！」


キッチンからひょこっと顔を出すA。




「用事あったんじゃなかったの？」


急いで靴を脱いで部屋に入ると




「…ふふっ。ちょうど出来たところですよー」



ダイニングテーブルに美味そうなすき焼きが並んでいる。




「…まさか用事って、」




「はい！そうです！

洋平さんが帰ってきたときにすぐ食べられるようにしたくて」


と笑顔なA。





「…そうだったんだ」


冷静を装ってそう言うけど、嬉しくないわけない。





すると急に俯いたかと思ったら、


「あの…洋平さん手作りチョコとかたくさん貰ってそうだし、他の人とは違うものをあげたくて…」

だなんて言ってきて。





…もしかして、チョコの代わりに作ってくれた？





「A、」


そっと抱きしめる。




「めちゃくちゃ嬉しい」


耳元で囁くと、




「…は、早く食べましょ？」


顔を真っ赤にさせるAが愛おしい。





.







すき焼きを食べ終わると、箱に入ったチョコをくれて。


数時間前までフラれた気分だったのが嘘みたいだ。









「…あのさ、もしかして、すき焼きにしたのって、“好き”とかけた？」


さっき、ふと気になったことを聞いてみると




「…！」

分かりやすく反応するA。







…なにそれ、可愛すぎだろ。




「…今日泊まって行くよね？」


ってとりあえず聞くけど、返すつもりなんてサラサラない。




「…洋平さ…、」



何かを言いかけたAにキスを落として。






いつもより甘いAの唇。




まだまだ夜は長い。









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今日はバレンタイン！

ということでこんなお話を作ってみました。




いかがでしたでしょうか…？

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