Dracula La＊４

▼31 いじわる。 ページ28

「Aおはよー！」


大学の講義室に入るなりマイに声をかけられる。




「おはよ。朝からテンション高いね」




「え、そう？」

とニコニコなマイ。





…さては、




「…彼氏？」




「正解！やっと別れたの！」


へぇ…別れたんだ…






…って、




「え！なんで？」




「…あんな男と付き合ってられるかってね」


彼氏と別れたと言いながら、なぜか清々しいマイがよく分からない。




「何かあったの？」




「んー、ここで話せるような話じゃないから、今日の夜Aの部屋行くね」




「…う、うん…」


傷付いているとか、ショックを受けてる感じじゃないから調子狂うけど。



マイ本人はケロッとしてるからまぁいいのかな。








「そんなことよりさ、Aいつもとなんか違う匂いする」


いきなり話を変えてきたかと思ったら、くんくんと犬みたいに匂いを嗅いできて。




「…たぶん、昨日洋平さんの家に泊まったから…」


戸惑いながらもそう答えると、




「なるほど〜そういうことか！

…ようぺいい匂いだねっ」



と、またマイは私に近付いてくる。






…あ、

洋平さんが使っているシャンプーの匂いのことかな。






すると、


「あっ」

今度はニヤニヤしてきて




「次はなに？」




「首筋」




「へっ？」




「ほら、見てみな」


マイが差し出してきてた鏡を覗きこむと、





「………！」




赤い跡が２つ。






「ようぺなかなか目立つとこにつけたね(笑)」






目立つ場所にはつけてないって言ってたのに…！



しかもなんで私、朝起きたとき気付かなかったんだろう…








…というか、




「なんで２箇所も…」


１つは分かるけど。

もう１つ付けられた記憶がない。







「男避けじゃないの？(笑)」

だなんてマイは呑気に笑っているけど、笑い事じゃない。




「髪の毛で隠れてる？」




「近寄れば見えるよ」




「うそ…」


今日もバイトあるのに。






「愛されてていいじゃないの」




「そういう問題じゃないって…」









“ははっ、そんな目につくとこに付けてないって”







はぁ…洋平さんのいじわる…

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