Dracula La＊４

▼27 雪だるま。Mside ページ13

広島でのライブを控え、ぽろぽろとギターを弾いていると、何やらスマホを見ながらニヤけている洋平が視界に入ってきた。





時々、フッとかハハッとか笑っているからちょっと不気味で、ギターに集中できなくなる。



「はぁ、」

弾くのを諦め、ギターを置く。





「…なに、如何わしい動画でも観てんの」




「うわっ！びっくりした、まーくん脅かさないでよ」


声をかけると、大声を出す洋平。




「さっきからスマホ見ながらニヤニヤしてる洋平が視界に入ってきてギターに集中できないんだけど」




「えっ、俺、ニヤニヤしてた？」


…無自覚でニヤけてたとか相当だな。




「気持ち悪いぐらいニヤけてたけど」




「気持ち悪いとかひどいな〜」




「…なに観てたの？如何わしいど…」「いやいや！違うって！これ見て！」




焦りながら差し出してくるスマホの画面を見ると、




「…雪だるま？」




「そう！Aが送ってくれた」


Aちゃんは旅行中で、その旅行先で雪が降っていて、雪だるまを作ったからと洋平に写真を送ったらしい。




「これ、俺らの雪だるまらしいよ」


４つ並んだ雪だるまを指差しながら嬉しそうな洋平。




「Aが必死で説明してくるんだけど、全然似てないよね俺らに」




Aちゃんから送られてきたLINEを見ると、



“左の、スティック持ってるのが庄村さん”
“その隣で笑顔なのが磯部さん”
“ちょっと背の高いのが洋平さん”
“帽子かぶってるのが白井さん”



帽子かぶってる雪だるまって…



確かに洋平の言うとおり、似てはないけど。



おれらの雪だるまって作ってくれるだなんて可愛いな、Aちゃん。


洋平がニヤけてたのも分かる。









「あ、帽子で思い出した」


まーくんに言っとかなきゃならないことあったんだよ、と急に真面目な顔をして




「歌番組で帽子かぶんの控えてよ」




「え、」




「Aが、帽子かぶってる白井さん格好いい！って。俺のこと格好いいとか滅多に言わないのにさ」


…なんだ、そんなことか。



本当に洋平って奴は…






「Aちゃんがそう言うならこれからもかぶるよ」




「ちょっと、まーくん！」





…洋平のことからかうの、面白いなーなんて。






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新しいお話作りました。


坂道転げ落ちる４月の夢。
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakamichino/


洋平さんと年の離れた幼なじみ設定です。
良かったらぜひ。

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