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ユンギならまたここに来てくれる。
何の確証もないけれどそう思っていた。

そして、隠した期待を裏切らずまた私を見つけてくれた彼。

もういいんじゃないかな。
本当の自分に戻れたんだから、心の内を明け渡してしまっても。

そう思うのに臆病な私は素直に言葉を吐き出せなくて。

私のために盾になりたい、傘になりたいと言ってくれる。
その言葉の意味を理解し受け止めれば、あんなに頑なだった心はすんなり溶けていく。

「ここの店主だったテソンさんが、言ってくれたの。」

テソンさんに最後の挨拶をしに行ったあの日、優しい店主が私に告げたこと。
それは、この店を任せたいという願いだった。

ずっと家族と離れ、夢だったカフェを経営してきた彼。
しかし高齢になってきて、家族にも願われ一緒に暮らすことにしたという。

店を閉めようかとも思っていたが、大切なこの店を失くしたくない。
そんな想いから、私に白羽の矢が立ったのだ。

なんとも嬉しい申し出だったが、最初私は悩んだ。
あれだけの騒動を起こしておいて、このままソウルに残っていいのだろうか。
どこか遠くでひっそりと暮らすべきではないのか。

悩む日々の中でユンギがくれた言葉。
Aの人生を歩む。
それを思い出し、もうしがらみは忘れ私の好きなように生きよう、そう思えたのだ。

「それからは、テソンさんの引越しの手伝いやこの店での働き方とかいろいろ教わってて。」

テソンさんに誘われ、彼の家族が暮らすヨーロッパにも行った。
現地では私のことを知らない人がほとんどで、何も隠さず本当の自分のまま過ごすことが出来た。

そのまま海外で暮らそうかとも思った。
けれど、Aが大切にしていたこの場所を失くしたくない。

そんな想いから、この店を継ぐことを心に決めたのだ。

ユンギは私の話を遮ることなく、真剣な表情で聞いてくれる。
全てを話し終え、カフェオレに口をつける。

彼がゆっくりと口を開いた。

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土星(プロフ) - (≧∇≦)さん» 作品を読んでくださり、感謝します。気分を害すなど、とんでもないです!少しでも楽しんで頂けたようでしたら、嬉しいです。コメントありがとうございました! (2020年12月3日 17時) (レス) id: fe9093fdaf (このIDを非表示/違反報告)
(≧∇≦)(プロフ) - 土星さん» そうなんですね!…失礼しました…とても詩が心にくるものだったので、もしかしたら何かの詩を元にしたのかとかになりコメントさせていただきましたら。気分を害してしまっていたらすいません。とてもこの作品に感動しました。 (2020年12月3日 17時) (レス) id: d81d3472fb (このIDを非表示/違反報告)
土星(プロフ) - (≧∇≦)さん» この詩は一応、自分で考えたものです。でもよく書かれるような内容なので、既存の何かしらと似てしまったのかもしれません。 (2020年12月3日 7時) (レス) id: fe9093fdaf (このIDを非表示/違反報告)
(≧∇≦)(プロフ) - この詩は何の詩ですか?なにか見た覚えもあるような気がして… (2020年12月3日 3時) (レス) id: d81d3472fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:土星 | 作成日時:2020年10月21日 18時

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