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大きな花束を両手で抱え、あの日と同じように海沿いを歩いていく。
以前より幾ばくか、心は晴れやかだった。
会見を終え、さまざまなマスメディアから取材の連絡があった。
さらに、何を思ったのか正体を明かした私に対して出演依頼まで舞いこんでいた。
しかし、宣言した通り全ての仕事を断り、私は事務所を退社した。
「さよなら、ユリ…」
花をひとつずつ海に落としていく。
脳裏に浮かぶのは姉の優しい笑顔。
ユリは死んだ。
もしかしたら、その事実を一番受け入れられなかったのは私だったのかもしれない。
大好きだった姉がいなくなるのに耐えられず、あんな無茶を言ってしまった、そう感じていた。
だけどもう現実から逃げない。
ユリが居ないこの世界を受け入れ、生きていくんだ。
ユンギと約束したんだ、自分の人生を歩むと。
彼には結局頼りきりのままで、ちゃんと謝ることも出来なかった。
ユンギのことが、大好きだった。
いや違う、今でも大好きだ。
だけど私はいつも彼に悲しい顔をさせてばかりで。
本当は私の力で笑顔を見せて欲しかったのに。
私がずっと大切にしていた本を彼は読んだだろうか。
もし読んだとしたら、どう感じるだろう。
私のこの行動も受け入れてくれるかな。
スマホを手に取り、元マネージャーへ電話をする。
「もしもし…最後にお願いがあるんだけど…」
本に記された最後の詩。
魔法を使った王子様もこんな気持ちだったのだろうか。
お姫様の泣き顔しか側で見られなかった月の王子様。
彼女だけではなく、太陽の王子様との幸せを願い海に消えていった彼。
もうユリというお姫様はいないけれど、せめて残された彼が幸せでありますように。
そう心から願っていた。
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土星(プロフ) - （≧∇≦）さん» 作品を読んでくださり、感謝します。気分を害すなど、とんでもないです！少しでも楽しんで頂けたようでしたら、嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2020年12月3日 17時) (
レス) id: fe9093fdaf (このIDを非表示/違反報告)
（≧∇≦）(プロフ) - 土星さん» そうなんですね！…失礼しました…とても詩が心にくるものだったので、もしかしたら何かの詩を元にしたのかとかになりコメントさせていただきましたら。気分を害してしまっていたらすいません。とてもこの作品に感動しました。 (2020年12月3日 17時) (レス) id: d81d3472fb (このIDを非表示/違反報告)
土星(プロフ) - （≧∇≦）さん» この詩は一応、自分で考えたものです。でもよく書かれるような内容なので、既存の何かしらと似てしまったのかもしれません。 (2020年12月3日 7時) (レス) id: fe9093fdaf (このIDを非表示/違反報告)
（≧∇≦）(プロフ) - この詩は何の詩ですか？なにか見た覚えもあるような気がして… (2020年12月3日 3時) (レス) id: d81d3472fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：土星 | 作成日時：2020年10月21日 18時
