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YGside

昔、ある所に地球のお姫様がいた。
彼女は地球がより良くなる為尽力していたが、災いがあると予言される。
その前兆として、ある土地では草木や花が枯れ、またある土地では動物達が死に絶えた。

自分の無力さとあまりの現実に傷心するお姫様。

その時に手を差し伸べたのが、太陽の王子様と月の王子様だった。

太陽の王子様は彼女を旅に連れ、地球の美しさを教えた。
また、あらゆる困難に立ち向かう人間の強さを見せた。

月の王子様は毎晩1人で涙を流す彼女に寄り添った。
彼女が抱える苦悩を聞き、どうしたらいいのか2人で話をした。

徐々に活力を取り戻した彼女の心と比例するように、災いの前兆は減少していった。

しかし、予言されていた災いがなくなったわけではなかった。

そして、災いの前夜、海の魔法使いが1人の王子様にある魔法を教えた。




Aの部屋で本を読んでいると、玄関から物音がした。
恐らく彼女が帰ってきたのだろう。
クライマックスに差し掛かった本を閉じて鞄にしまい、玄関へ向かう。

YG「A?」

「げほっ、……げほっごほっ…」

激しい咳をしながらうずくまるA。

YG「A!」

なんとか上体を起こすと、彼女はきつく瞼を閉じながら胸を押さえている。
顔色がひどく、指先は冷たいのに額には汗が滲んでいた。

急いで水を取りに行き、彼女の鞄からピルケースを取り出す。

YG「A、薬わかるか!?」

薄く目を開け、震える指で錠剤を指差すA。
それに従い、いくつかの錠剤を彼女に飲ませた。

そのまま抱き上げ、寝室へ向かう。
ベッドへ寝かせるが、苦しげな表情は変わらない。

YG「A…」

名前を呼び、彼女の指先を握った。


どれくらいそうしていただろうか。
暫くして、なんとか彼女の咳は回数を減らし表情も少し楽になっているようだった。

そっと頭を撫でると、彼女が声を漏らした。

「ユンギ…」

小さな声で呟いてまたすぐ寝息をたてるA。

A、何が君を苦しめているんだろう。
あの本の月の王子様のように優しく話を聞いてやりたい、力になりたいと思うのに。

結局彼女は、俺が帰るまで目を覚ますことはなかった。

.→←誰が為の詩



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土星(プロフ) - (≧∇≦)さん» 作品を読んでくださり、感謝します。気分を害すなど、とんでもないです!少しでも楽しんで頂けたようでしたら、嬉しいです。コメントありがとうございました! (2020年12月3日 17時) (レス) id: fe9093fdaf (このIDを非表示/違反報告)
(≧∇≦)(プロフ) - 土星さん» そうなんですね!…失礼しました…とても詩が心にくるものだったので、もしかしたら何かの詩を元にしたのかとかになりコメントさせていただきましたら。気分を害してしまっていたらすいません。とてもこの作品に感動しました。 (2020年12月3日 17時) (レス) id: d81d3472fb (このIDを非表示/違反報告)
土星(プロフ) - (≧∇≦)さん» この詩は一応、自分で考えたものです。でもよく書かれるような内容なので、既存の何かしらと似てしまったのかもしれません。 (2020年12月3日 7時) (レス) id: fe9093fdaf (このIDを非表示/違反報告)
(≧∇≦)(プロフ) - この詩は何の詩ですか?なにか見た覚えもあるような気がして… (2020年12月3日 3時) (レス) id: d81d3472fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:土星 | 作成日時:2020年10月21日 18時

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