25.NJ ページ25
NJ「社長」
JN「なに？」
NJ「…………ソックスの種類が、
左右で違います」
JN「……………あ、」
社長はいつだって完璧だった。
でも最近の社長は、仕事以外のことに
気が向いてるようだ。
JN「ほんとだ。
靴下別の種類履いてきちゃった
……どうしたものかな、」
理由なんてきっと一つだ。
Aさんに決まっている。
社長は完璧に仕事をこなすのに、
恋愛に関しては
不器用というか、
ねじれているというか、なんというか。
秘書の俺が出来ることは、
なんだろう。
俺も俺でひねくれてるから、
正攻法で社長を助けることなんてできない。
NJ「そういえばAさんは
新しい就職先で上手くやっているみたいですよ」
JN「………あっそう」
NJ「弟のテヒョンさんが
そうおっしゃってました。
なんでも、Aさんは同僚の男性と
済州で取材に行くとか」
JN「は」
NJ「泊まり込みらしいです。
楽しそうな仕事で何よりですよね」
JN「同僚の男性って誰」
社長の眉間にシワが寄る。
こめかみがピクっと動いて、
真っ白な肌にうっすらと
青色の血管が浮き出る。
気に食わないことがあった時のサインだ。
NJ「……さぁ、僕はテヒョンさんから
少し聞いただけですから。
でも確かテヒョンさんの友人だって
聞いた気がします」
JN「じゃあモデルってこと？」
NJ「さぁ、そこまでは、、。
でも社長にはもう関係ないですね
Aさんとはもう
終わったって言ってましたもんね？」
JN「…………………、」
まったく。
秘書ってこんなことまで
仕事のうちに入るんだろうか。
NJ「Aさんは魅力的な女性ですから、
もしかしたらもしかするかもしれないですね」
JN「ナムジュナ、」
NJ「はい？」
JN「午後のミーティングを1時間遅らせる。
ちょっとテヒョナと会ってくるよ」
NJ「テヒョンさんですか？」
JN「直接会って話さなきゃいけない」
社長は、
コートを持って車の鍵を強く握って
社長室を出た。
ほんと、手のかかる会社のトップだ。
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2020年10月2日 7時
