A Secret Contract２【JN×TH】 (ページ11)

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仮面舞踏会。
まさしく上流階級のそれに
参加するなんて
以前の私は考えられなかったと思う。

〈銀色のタキシード、黒の仮面〉

面白くなるから、
別々に行こう、
会場で僕を探して、
と言ったソクジンさん。

銀色のスーツに黒の仮面を探すけど、
たくさんの仮面、暗い照明のせいで
中々探すのは大変だ。

着ているドレスも
中世ヨーロッパで流行ったような
クラシックなドレスの人が多い。

羽のついた仮面、
鼻の部分が魔女みたいに
大きく長く尖った仮面、

でも場内にかかっている音楽は
流行りのクールなEDMで、
そのギャップがオシャレだった。

シャンパンを運んでる男性に
聞いてみた

『キム・ソクジンさんはどこかわかりますか？』

ゲストの情報は一切漏らさないらしい。
男性は礼儀正しく頭を下げて
どこかに行ってしまった

……どこなの。

私は完全に迷子で、
渡されるシャンパンを飲みながら、
仮面の下で大きく笑う人たちを
眺めてた

スマホはエントランスで預けることになってるし
本当に自力でソクジンさんを探すしかない

だけど会場はさっきより盛り上がって、
照明は一段と暗くなる

銀色のタキシードを着た男性が
私の元にやってきた。

『あぁ、もう……すごい探しましたよ
大変だったんだから』

ソクジンさんは
何も言わない。

そのかわりに私のほおを
初めて触れたように
繊細に大切そうに撫でた

なんだか違和感がある。

『ソクジンさん、？』

ソクジンさんは急に私の腕を強引に引いて、
それから私の仮面を外しながら
キスをした。

しっとりと、長く。

時が止まったような
そのロマンチックな瞬間は
後からするとすごく一瞬の出来事だった。

『こんな人目のあるところで、
こんなことするなんて、珍しいですね』

私がそう言い切るまえに、
ソクジンさんは足早に
会場から出てしまった

…………え、？

JN「やぁ、やっと会えたね」

銀色のタキシードに黒の仮面を取った
ソクジンさんが嬉しそうに現れた

え？
じゃあ、私は………
私が会ったさっきの人は誰？
私にキスをしたあの人は誰？

.

.

.

.

.

.

JN「テヒョナも来てるはずなんだけど、
さすがに帰ったかな」

『え？』

JN「あいつ、僕と同じ
タキシードで来ちゃったみたいだから」

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