【ONE PIECE】DEAD OR ALIVE (ページ26)

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ぱちっと瞼が開く。
視界には赤い赤い火の海ではなく木目調の天井。濃い茶色の木の板で作られた天井が視界を埋め尽くす。

あれ、私…。
瞼を閉じる前はグレイ･ターミナルにいたはず……。
なのになんでゴミ山とは無縁の場所、ましてや潮の香りとゆらゆらと小さく身体を揺らす感覚があるの？

何が起きているのかわからなくてとりあえず簡易的なベッドから身体を起こして小さな丸型の窓から外を眺める。窓から暗く波立つ海が見えたことからここは船なのだろう。

そして、その奥に見えるのは。

『あ…っ。』

遠くに見えたのは赤い空。
月を覆い尽くすほどの大量の灰色の煙。
そして、塀の隙間から見えたのは鮮やかなほどの火の海。
私が東の海ゴア王国に来て5年間過ごした、兄弟たちと出会い成長した町が無惨にも燃えていた。

思い入れのある町が消えていくことに、泣くことも悲しむこともなくただ呆気ない。ブルージャムのあの全てを諦めたような表情に言動。多分あの火事騒動はゴア王国に住む貴族の勝手な都合だろう。こんなにも産まれた腹が、環境が違えばこうも同じ人間を簡単に殺してしまうのか。ただただ貴族や天竜人は醜い。その思いしかない。

燃えゆく町を遠くから見ながら、左手を握る力を強める。そうして何分経ったのだろう。たった1分だけかもしれない、1時間かもしれない。

重苦しく流れていた時を正常に戻してくれたのは。

｢…起きたか。嬢ちゃん。｣

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