【ONE PIECE】DEAD OR ALIVE (ページ17)

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ただ、目の前で起きる出来事を傍観することしか出来ない。それくらい息の詰まるような威圧感。

あまりの恐怖で泡を吹きながら倒れた海兵に鋭く目を光らせることもなく、優しい声色で声をかけるシャンクス。

「よくやった、若い海兵。お前が命を懸けて生み出した″勇気ある数秒″は…良くか悪くかたった今、″世界の運命″を大きく変えた！！」

そして足元に落ちていたルフィの麦わら帽子を拾い、静かに宣言した。

｢この戦争を終わらせに来た！！｣

シャンクスは懐かしそうに麦わら帽子を眺め、空を漂うピエロに声をかけていた。ここから少し離れているため会話は聞こえないが苛立ったようにシャンクスのマントに掴みかかるピエロ。

しかし、少しするとこちらへと向かい飛んでくる。

｢キャプテン、A！″四皇″珍しいけど早く扉閉めて！！｣

甲板へと繋がる扉に寄りかかりながら状況を見守っていた船長と、甲板へと出て様子を伺っていた私に早く戻ってこいと声をかけるペボ。
船長は｢ああ、｣と小さく声をかけるが、『待って！』と言うと足を止める。

『何か飛んでくる！』

船長に向かって弧を描いてポーラタングへと投げ込まれたのはさっきまで四皇であるシャンクスが持っていたであろう″麦わら帽子″。

船長の手に握られる麦わら帽子を見た後に、視線を赤髪のシャンクスへと移す。
…あれが、ルフィの言っていた命の恩人か。
いつか、話せるときがきたら弟を助けてくれたお礼を伝えよう。

ふと、シャンクスと目が合った気がしたが見つめ合うことはなく、直ぐに目を斜め下へと逸らして今から深い水の底へ潜るであろう船内へと足を進めた。

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