74.TH ページ24
『ごめん、お手洗い行ってくるね』
TH「じゃあ、先に行ってるよ」
父さんって
血は繋がってないけど、
居場所のない俺に居場所を与えてくれた
俺の父さん。
俺とヒョン達を出会わせてくれた父さん。
病室に入ろうとすると、
もう既に誰かいて、
何となく入るのも気まずいなぁ、
と思って、
扉の前で待っていたら、
声が聞こえた。
あの愛想のない相槌をするのは、
間違いなくユンギヒョンだ。
父「…はぁ、ソクジンはどうしてそうなったんだ、どこでそうなったんだ。あの母親だな。昔からソクジンに料理を教えて、あいつが興味を持ったから。ソクジンは俺の失敗作だよ、お前はソクジンみたいなバカな真似はするなよ」
ユンギヒョンのため息が聞こえた
父「他はどうなってる？
テヒョンは何してるんだ、いま」
俺の名前が聞こえたとき、
俺は持っている薔薇の花束を
ギュっと握ってしまった
YG「小さい劇場で役者をやってますよ。
まぁ、まだ大学生ですし、」
父「あいつはずっとフラフラしてるな。芯がないというか流れるままで。あいつがバカじゃなかったらまだ利用価値があったのに、ほんとうに使えないからな、あいつは。引き取ったのを間違ったよ。」
耳の奥がキーンって鳴った。
持っていた薔薇の花束が、
手から落ちた。
父「役者もやれるのか？ろくに文章も読めなかったろうあいつは。まぁふつうの会社じゃ働けないだろうから、役者の方がいいのかもな」
気づいたら、駆け出してて、
病院の外に出ていた。
ショックではなかった。
ただ納得したんだ。
あぁ、やっぱり俺は、
どんなに頑張っても、
どんなに年月が経っても、
俺は俺なんだ。
出来損ないの俺なんだって。
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2019年7月19日 23時
