11.【入学式】 ページ11
入学式。
約束通り、テヒョンとグクが来てくれた。
入学するのは私なのに、
私よりソワソワして見えるのは気のせいかな？
テヒョンもグクも
この後は普通に授業があるみたい。
テヒョンはキャンパスのトートバックを
肩から下げて、
グクは何が入ってるのか気になるくらい
大きな真っ黒のリュックを背負っていた。
いつも、
私の入学式に、
両親は来なかった。
周りの友達は、
誇らしげに入学証書を両親に見せに
走っていったけど、
ただ私はいつまでも座って、
体育館にまで入ってくる桜の花びらを
じっと黙って見つめてたんだ。
でも、いまは、
振り向いたらオッパ達がいる。
周りの女子からの視線を全く気にせず、
気にするというか
もはや眼中にないレベルで
堂々とまっすぐ私の方を見つめる
テヒョンオッパと、
居心地が悪そうにモゾモゾ私の方の様子を
伺うグクオッパ。
あって間もないのに、
こんなに愛おしい存在になるなんて、
こんなに頼もしい存在になるなんて、
想像できなかったな。
.
.
長い挨拶が終わり、
私は走って入学許可証をオッパ達に見せた。
TH「わー、懐かしいなぁ、入学許可証」
JK「ほんとですねー」
TH「グクはつい最近の話じゃん、」
JK「1年前ですねぇ、
大事に保管しておいてますよ
ヒョンは？」
TH「俺？入学証書どっかいった」
JK「え」
TH「なんか食べたいのある？今日はおごるよ。」
『私ジャージャー麺食べたい！』
TH「じゃあ食堂でも行く？」
JK「はい、あ、その前に」
グクがおっきなリュックからガサゴソと
何かを取り出した。
JK「記念撮影、しましょう」
リュックに入っていたのは、
立派な一眼レフカメラと、
三脚だった。
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2019年7月9日 0時
