僕のご主人さま〜Donghae〜Vol,2

ヌナの告白 ページ27

*


少しだけ僕の事を信用してくれたのか、ヌナから聞いた
ソンジェって人の話はあまりにも衝撃的過ぎてしばらく呆然としてしまった。


ヌナは、どんな気持ちで必要以上に人と関わらないようにしてきたんだろう。
僕にずっと敬語で接してきたのも、きっとその距離を保つためで…


辛い事があっても、人のために無条件に身体が動いてしまうヌナ。

虐待されてるココを引き取って、そのために引越しまでして

夜のベンチで寝てた僕を、危険も顧みずに連れて帰ってくれて

会社で叱られても、おばあさんのところに駆けつけて…


色んなことが頭を巡って、気がついたら涙の海の中にいたお魚、じゃなくて僕。


「ヌナ……ごめん…辛い話させちゃって……」

「ドンヘシ…」

「でも！僕はそんな話聞いたからってヌナの事嫌いにはならないよ。
むしろ、もっと好きになった！」

「え…？」

「だってさ、そんな辛いことがあったのに、ヌナはやっぱみんなに優しくて
いい人で…素敵な人だもん」



そして僕は、一番知りたかったことを聞いた。


「その…彼のこと…今でも…好き…なの？」


僕以上に涙で濡れた頬を拭って。
ヌナがポツリポツリと、言葉を選んで。


「ドンヘシ…
ううん、ドンヘ………もう、何とも思ってない。
私ね。あれから…なるべく人と深く関わらないようにしてきた。
もうあんな思いはしたくないって。

だけど……
ドンヘと出会って…彼のこと、思い出さなくなってた。

私………

ドンヘが…………

す………き………」


すき…？
今好きって言ったの？


「ホントに……？」


頭の中で、ドッカーンって音立てて、大きな花火が上がった…



*

触れたくて…→←いいところ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す