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やり場のない感情 ページ27

ギジュン社長とホールに現れたAは間違いなく
自信に満ち溢れて見えたのに

俺の目の前にいるAはなぜこんなにも小さくて
開いた花びらがしぼんで行くように見えるの?

俺が、君をそうさせたの?
それほどまで、俺の存在はもう、嫌悪でしかないの?

「オッパ?どうかした?」

「あ、ううん、何でもない」

「私喉乾いたな。あっちに行って飲み物もらって来ようよ」

「あ、ああ、そうだな」

俺はギジュン社長とAに小さく会釈した。

「ではこれで…」

「ドンヘ!」

ふいに、Aが俺を呼び止めた。

それでも俺は、なかなか振り返れない。
大きな息を一つ吐いて、ゆっくりと振り返る。

Aの目には、今にも涙が溢れそうなくらい潤んでた。
その涙の意味が、馬鹿な俺にはわからないよ。

「なに…?」

わざと、冷たく返事した。

「ううん、何でもない」

「A…行こうか」

社長が、Aを呼び捨てにした。

俺は、胸がギュッと締め付けられる思いがして目を瞑った。
そして、クルッと向きを変えるとユナの腕を引いて足早に
その場を後にした。

どうにかなりそうだった。
こんなにドス黒い感情が自分の中にあるなんて、
思ったこともなかった。

…嫉妬?
…怒り?
…悲しみ?
…淋しさ?

やり場のない感情がどっと押し寄せて、俺は押しつぶされそうだった。

どうにかして早くここから去りたかった。

「オッパ!オッパ待って!ヒールなの、脱げちゃうよ」

「あ、ああ、ごめん」

「どうしたの?なんかオンニも変だったし。喧嘩でもしたの?」

「なあ、ユナ…」

「ん?」

「俺たちこのまま、どこか行こうか」

「オッパ…」

ユナが、そっと腕を絡めてくる。
さっきよりも、胸を押し付けるように強く…

「いいよ…オッパとならどこへでも…」

「行こう」

俺はひと気のない裏口からユナを連れ出すと通りに出てタクシーを拾った。

当てもなく、漆黒の街へと………

ご挨拶〜作者より〜→←白百合な彼女



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さくらこ(プロフ) - 夢奈さん» コメントありがとうございます(*^o^*)頑張りますのでこれからもよろしくお願いします♪ (2013年5月28日 6時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
夢奈(プロフ) - 夢奈はドンへオッパが大好きです>< これからも更新ファイティン^^ (2013年5月27日 9時) (レス) id: 9e1e698207 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - marsさん» はじめまして!コメントありがとうございます(*^o^*)完結していますが、そのうち番外編を考えています。また読んでくださると嬉しいです。 (2013年5月27日 9時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
mars(プロフ) - はじめまして!とても切なくてキュンキュンしてます。これからも楽しみにしています。 (2013年5月26日 23時) (レス) id: bd6e1ef7b3 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - さっちゃんさん、コメントありがとうございます(≧∇≦)凄く嬉しいです!これからもよろしくお願いします♪ (2013年2月21日 22時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくらこ | 作者ホームページ:http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/  
作成日時:2013年2月21日 8時

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