Dear My everything 2 Answer〜Donghae〜

宣戦布告 ページ14

済州島に着くとAは辛い顔一つ見せず、走り回ってる。
いつからこんなに強くなったの？

でもね、そんなにガードしないでよ。
もっと昔みたいに頼って欲しいんだ。
俺は、Aを守る男になるために頑張ってきたんだよ。

「Aさん！」

声を掛けようとしたら、横から張りのある少し高い声に阻まれる。

誰だ？コイツ。
背がやたら高くて、高級そうなスーツをバッチリ着こなしてる。
顔は…俺の方が勝ってる(多分)
だけど、見るからに大人って感じで、しかもAにやたらと親しげな態度。

二人とも、すぐそばに俺がいるのに全く眼中にないって感じでますますムカつく。
俺はわざと、咳払いをした。

そしたらそいつ、俺を上から一瞥して、一瞬ニヤッと笑いやがった！
宣戦布告か？

受けて立とうじゃないか。

俺は、そいつが出した手を、力一杯握りしめてやった。
もちろんそいつも、相当な力で握り返してきた。

コイツ…社長業の割にかなり鍛えてるな…。


部屋に荷物を運んで、いよいよ撮影開始だ。
メイク室として用意されたコンドミニアムでメイクをしてもらう。

そして衣装に袖を通すと、みんなが感嘆の声を挙げる。

「凄い似合ってますね！素敵ですー！ね、Aオンニ！」

「しっ！仕事中は室長でしょ？」

「あ、すいません」

なんて、ユジンちゃんを叱ってるAだけどその表情は優しい。
ああ、そういうとこ、Aらしくて好きなんだ。


俺は、カメラマンの指示でポーズを取る。

「好きな女性のこと、思い浮かべて。ちょっと切ない感じで」

って言われて、思い浮かべるのはもちろんAしかいない。

「今度はあの辺り見てみようか」

と、カメラマンが指示した方をみると、親し気に話す、Aと社長が見えた。
なに話してるんだ？

Aはコロコロと表情を変えて、笑ってる。

気に入らない…

「表情硬いよー、笑ってー」

「………」

「ドンヘー？」

「あ、すいません」

いけないいけない、集中しなきゃ。
でも気になる…

まさか…
いやいや、Aこないだ別れたばっかだし、あり得ないよな。
でも、男の方は満更でもないみたいだった。

今まで何度もAに言い寄る男を見てきたけど、
今までで最高の男には違いない。

どこかで、Aは誰のものにもならないって、根拠のない自信があった。

でも、今回はそんな自信なんてあっという間に崩れ去ってしまいそうな
不安で押しつぶされそうだった。

他人行儀→←強がり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す