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77話目 ページ14

「おかしいな」

その一言で始まった合宿二日目の朝。

なぜこんな言葉で始まってしまったのか。
起きたらだれも部屋にいなかったからだ。

おかしいな。

もう一度つぶやく。

昨日国見と話して部屋に戻ったまでは覚えているんだ。

多分寝落ちたんだろう。

それなのに寝坊とはなかなかいい度胸だと思う。
最近は徹夜なんてしていないし、毎日ちゃんと7時間は睡眠をとっている。

本当におかしいな、としか言えない。

そんなこと言っても誰も起こしてくれないのは流石に酷くないか?

いや、起こしてくれたけどあきらめて皆行っちゃった説のほうが濃厚かも知れない。

とりあえず最低限の身支度を整えて体育館へ急ぐ。

私の今日の担当は第三体育館。
この前木兎さんと初めて会ったところだ。

知らない体育館じゃなくてよかったと思った。
知らないところだったら詰んでいた。

第三体育館からはボールの音がして、ここまで来て入るのが怖くなってくる。

しかしここでうだうだしていたらもっと遅れてしまうのでひと思いに入ってしまった。

「あれ、早いね。」

赤葦さんのそんな声が聞こえてからかわないでほしいと心の底から願う。

「やる気あるってことじゃん、よかったな木兎」

黒尾さんの声も聞こえてきて本当にいやな気持ちになる。

黒尾さんの声?

「そんなわけ…」

そうつぶやいて体育館に設置してある時計を確認。

時刻は六時前。

木兎さん、赤葦さん、月島君、黒尾さんの四人は自主練の真っ最中。

そんな…

ひざから崩れ落ちる。

そんな表現が似合っていただろう。

「おう、どうした?」

そういって近づいてくる黒尾さんにことの顛末を話す。

それを聞いていた4人は大爆笑。
何なら赤葦さんだけ私だけがマネの部屋に取り残される事態という謎ポイントで笑っていた。

「笑い事じゃないです。死活問題ですよ。」

少し不機嫌になって言うと

「いやお前、面白すぎんだろ」

黒尾さんはそんな私を見てさらに笑っている。

ムカついたので鳩尾を狙おうとするが

「何それ、何の構え?危なそうなんだけど」

と少し察されたのでやめてあげた。
本当に私って慈悲深い。と一人で茶番をしていた。

そのレベルで私の頭は終わっていた。

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いちか(プロフ) - 及川さんとの絡みが好きすぎます! (2021年8月24日 2時) (レス) id: 04ec5ad602 (このIDを非表示/違反報告)
白夜のダンテ(プロフ) - 割と素直なぬこさん» ありがとうございます。新作の件、参考にさせていただきます。木兎さんとの絡み…できる範囲でやりたいと思います。コメントありがとうございました。 (2021年6月24日 20時) (レス) id: 78c0d6e1f2 (このIDを非表示/違反報告)
割と素直なぬこ - 連続でコメント失礼します。新作どれも面白そうなのですが、せんぱい!をけんまで見たい!私の推しが木兎サンなので本編で絡みもっと欲しい!図々しくすみません…… (2021年6月23日 22時) (レス) id: 146f38e7d4 (このIDを非表示/違反報告)
白夜のダンテ(プロフ) - 割と素直なぬこさん» ありがとうございます! (2021年5月18日 20時) (レス) id: 78c0d6e1f2 (このIDを非表示/違反報告)
割と素直なぬこ - 続編おめでとう!!頑張ってください! (2021年5月18日 6時) (レス) id: 348a770f9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫苑 | 作成日時:2021年5月16日 21時

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