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秋8# 遠慮と不満 ページ10

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「……ご不満、ですか?」

「……悪くない。が、踏み切るのには時期尚早だ。いずれ枯れゆく油田を彼がどう扱っていくのか、それを見てからでも遅くはない」

「仰る通りです」


 タブレットを下げ、鞄にしまう。


春夏冬(あきなし)はどうする」


 問われた。タブレットをしまい終わり、Aはまっすぐ鬼道財閥当主を見つめる。


「我々は、鬼道財閥のご意向に従います」



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「失礼致します」


 話し込むAたちの元へ、部屋を出ていた袴田がノックと共に帰ってきた。
 恭しく頭を垂れる。


「A様、ご夕食はどうなさいますか?」

「おお、もうそんな時間か」


 壁にかけられた時計は、既に午後六時を指していた。Aは二時頃に鬼道家へ訪れたため、四時間も話していたらしい。


「食べて行ったらどうだ?」

「いえ、有人様もいらっしゃいますし、団欒の中私めがお邪魔するわけには……」

「遠慮はいらないよ。A君の分の夕食は用意されているだろうし、有人も喜ぶだろう」


 そう言われ、上げかけた腰をもう一度下ろした。そしてAは、ただ黙って頭を下げた。



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 彼のあとに続いてAがダイニングルームに入ると、先に有人が待っていた。
 細長いテーブル。有人と彼の父親の間に設置された椅子の前に立ち、一度有人と目を合わせて一礼する。
 静かに座った。父がフォークを手にするのを見て、有人とAも料理に手をつけ始める。

 オードブルとなるサーモンのマリネを食べる、Aの横顔。洗練され尽くした水の流れるような動作。気を抜けば、有人はその動きの美しさに見惚れてしまいそうになる。
 幼い頃から躾けられてきた、指先まで気を抜かず食器の音を立てないその動き。同世代の女を思うと些かズレてすら見えるそれに、有人は昔の彼女を思った。

秋9# 年不相応と娘→←第二章 秋7# 提案とシッキム



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杳覇(プロフ) - に近い感じかな……? 私の作品の中ではかなり短くまとまると思うんで、暇なときに覗いてくれると嬉しいです! 更新がんばるね〜〜!! (2021年10月8日 12時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧ありがとう〜〜!! バチくそに頭良い子なので私に書き切れるかどうかは賭けです🙂 選手に指示を出してゲームを組み立てていく司令塔よりはマネジメントに近い役割だけど、そういう認識でも大丈夫です! フィールドメイキングするスタッフ (2021年10月8日 12時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - あっどちらかと言うと日常の練習での司令塔という感じっぽいね(↓設定までしか読んでなかった) (2021年10月8日 11時) (レス) @page6 id: 2897e279c0 (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 遅れました!!わー作ってから一週間経ってるー(棒読み)頭良さげな子だね!(語彙力はテストで溶けました)選手じゃないっぽい?司令塔の補佐みたいな感じかな?楽しみにしてるね!頑張って!! (2021年10月8日 11時) (レス) @page2 id: 2897e279c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白雪林檎さん» コメントありがとうございます✨ わ〜〜昔から読んで下さってるんですね! めっちゃ嬉しいです…!! ありがとうございます☺️💓 お褒めのお言葉も光栄です✨ 更新頑張ります!! (2021年10月7日 6時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杳覇 | 作者ホームページ:×  
作成日時:2021年10月3日 12時

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