第二章 秋7＃ 提案とシッキム ページ9
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「どうぞ、座って」
「失礼致します」
示された応接用のソファに腰を沈めると、Aは目の前の男を静かに見つめた。
「前のときから時間が空いてしまったね。中々場を設けることができなくて申し訳ない」
「滅相もございません。お忙しい中お時間を割いていただきありがとうございます」
そう言って座ったまま頭を下げるAの前に置かれた紅茶から湯気が昇っていた。
シッキムティーの香りが、スーツを着て遠回しな挨拶から始まる男と少女の歪な空間を包む。
「紅茶の味はどうだろう。執事が新しく仕入れた茶葉だ」
「はい。香りもよく味も上品で、とても美味しいです。……入れられたのは、袴田様でしょうか」
ちらと扉の前に立っていた執事を流し見ると、ただ黙って頭を下げただけだった。
代わりに男が「ああ」と答える。どうりで……Aは、もう一口紅茶を啜った。
「……それで今日は」
「はい。旦那様もご存知かとは思われますが、対応すべきことがございます」
「近頃、我々が支持しているラヴィユの株価が落ちてきていることか」
「その通りです」
鞄からタブレット端末を取り出し、机に置く。その棒グラフはずっと平坦だったが、ここ数ヶ月で突然下がりだしており、その原因となりうる事柄も事細かに書き出されていた。
「理由は色々ございますが、一番は物資の減少でしょう。地球環境問題を嘆く声が大きくなっている昨今、ラヴィユにとっては動きづらいはずです」
「そうだな。下がり始めたのは丁度今の大統領が就任してからだ」
「はい。……そこで、春夏冬からの提案なのですが」
Aがタブレットに触れると、「オイルカンパニー」の情報とブラジルの経済状況が表示された。
目を見開く。
「石油商業か。それも、ガルシルド・ベイハン……」
「はい。彼の力は年々鰻登りです。他国を見ても、これからの時代は彼が作っていくはず。これに便乗しない手は無いかと」
ふむ……。
男──鬼道家当主はタブレットから顔を上げ、Aを盗み見た。
十三、四の少女とは思えぬ話の内容と口調。尋ねれば、考えているのはあくまで叔父で、自分は話しているだけだと答えるのだろう。自分の力を隠し、上手く立ち回るために。
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杳覇(プロフ) - に近い感じかな……？ 私の作品の中ではかなり短くまとまると思うんで、暇なときに覗いてくれると嬉しいです！ 更新がんばるね〜〜！！ (2021年10月8日 12時) (
レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧ありがとう〜〜！！ バチくそに頭良い子なので私に書き切れるかどうかは賭けです🙂 選手に指示を出してゲームを組み立てていく司令塔よりはマネジメントに近い役割だけど、そういう認識でも大丈夫です！ フィールドメイキングするスタッフ (2021年10月8日 12時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - あっどちらかと言うと日常の練習での司令塔という感じっぽいね(↓設定までしか読んでなかった) (2021年10月8日 11時) (レス) @page6 id: 2897e279c0 (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 遅れました！！わー作ってから一週間経ってるー(棒読み)頭良さげな子だね！(語彙力はテストで溶けました)選手じゃないっぽい？司令塔の補佐みたいな感じかな？楽しみにしてるね！頑張って！！ (2021年10月8日 11時) (レス) @page2 id: 2897e279c0 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白雪林檎さん» コメントありがとうございます✨ わ〜〜昔から読んで下さってるんですね！ めっちゃ嬉しいです…！！ ありがとうございます☺️💓 お褒めのお言葉も光栄です✨ 更新頑張ります！！ (2021年10月7日 6時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
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