5話 翔べよ ページ7
「どうしたよA。そんなおっかねえ顔して」
白鷺陣に戻ってきた東雲の作り笑いを、
その言葉に東雲は笑みを消し、瞳に怒気を潜ませる。海のような深い青色の目に燃えるような光がチラつく。
噛み締めるように口を開いた。
「……『女子チームなのに』って言われた」
「あー……言っちまったか、向こうのキャップ」
それは、幼い頃から男子に混じってサッカーをしてきた東雲が一番嫌う言葉の一つだった。
無論、向こうにそんな気がないことくらい分かっている。
しかし、自分の実力を「女子なのに」という理由で過大評価されるのは我慢ならない。
「いいさ。中学サッカーは性別関係なく戦えるってこと、見せつけてやる」
「ってことは……アレか?」
「ああ」
あーあ。雷門のやつら、Aの逆鱗ぶん殴っちまったよ。
心の中でそう呟く高城を、東雲がいつもの表情に戻って顧みる。
「涼香、ってことでキックオフ──」
「わーってるって」
つい昨年まで、ヤンキーとしてシマで頭を張っていた女番長、「
その力も、元ヤン、しかも紅桜よりも前に名を上げていたのに突然姿を消した「青き弾丸」の東雲の前には敵わなかった。
半ば脅される形で入ったサッカー部だったのに、気がつけば夢中になっていた。
いつの間に。
「……翔べよ、A」
いつの間に俺は、こんなにこいつに惚れ込んでんだろう。
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杳覇(プロフ) - パティあすさん» わ〜いありがとう💓 読んでいただけて至福の極み……!! 更新停止していた作品とかも少しずつ動かしていきます👍 長い間応援ありがとう!! (2022年1月13日 20時) (レス) id: 72dc0f7804 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白目黒口さん» ありがとう〜!! 小生意気で自信家で上から目線、そんなところは両親が優しく姉が生きてて甘やかしてくれたからこそ生まれたものなので、可愛いって言ってもらえてマジで飛び跳ねそうありがとね…!! ふふ、二人の行く末はしろくろにお任せします☺️ (2022年1月13日 20時) (レス) id: 72dc0f7804 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - 完結おめでとう🎉 東雲ちゃんをまた見れて良かったです!素敵な作品をありがとうございました!長い間お疲れ様です。これからも他の作品で楽しませてもらおうと思います!無理せず頑張ってね! (2022年1月13日 19時) (レス) @page45 id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
白目黒口(プロフ) - 完結!!おめでとうございますー!!!雷門に入らなかった事によりどこか高嶺の花感のある東雲ちゃんも可愛かったです!こっちの二人もいつか結ばれるといいなぁ (2022年1月13日 19時) (レス) @page45 id: c29c1a0e83 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 星熊さん» ありがとう……!! 少しの間ですがまたお付き合いくださいm(_ _)m! 更新頑張るねー!! (2021年9月8日 19時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杳覇 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時:2021年9月7日 11時