運命180＃ おじゃん ページ12
「……」
重々しい──少なくともAにはそう見える──扉の前に立ち、Aはゴクリと唾を飲み込む。
そんな彼女の様子に思わずふっと微笑み、鬼道は囁いた。
「そう緊張するな。ただいまの挨拶をするだけだ」
「おっ、おう」
すう、はあ、とAが深呼吸したのを見届けて、鬼道はコンコンコンとノックする。
「父さん、僕です」
「入れ」
扉が推し開かれた。
両側の本棚に並ぶ何やら子難しそうな本の数々。題名を読むだけでも眠くなりそうなそれらに挟まれた部屋の一番奥に、鬼道の父親は座っていた。
鬼道とAを見て口元に笑みを浮かべる。
「ただいま帰りました」
「おかえり有人。A君」
なんて言えばいいのか分からずAはぺこんと頭を下げる。
下手に口を開くとボロが出ることはA自身身に染みて分かっていた。
が、父親はAに向かって話しかける。
「初めての学校はどうだったかな」
「あ、す、」
──すっげえ楽しかったぜ！
なんて言うと隣の男がうるさい。
「す……ごく！ 楽しかったです」
「そうか。それは良かった」
鬼道がAにだけ分かるように肩を竦めた。
笑顔がぎこちなくなっていないか、Aはひたすらに心配である。
「ところで、今もA君は有人の部屋で過ごしているのかな？」
「は……」
「はい。僕の部屋をAと二人で使っています」
答える前に鬼道が言った。少々強引だったが、あのままAに話させるよりはリスクが少ない。
父親もこれを咎めることはなく、話を続ける。
「お前たちも年頃だからプライベートな空間は欲しいだろうし、有人は受験もある。そこで、入学祝いと言ってはなんだが……」
「！」
フッと優しい微笑みを見せる父親。
「A君に、新しく部屋を用意した。これからはそこを使いなさい」
「ほ、ほんとか！？ っしゃー！ ……あ」
「はぁ……」
……鬼道の苦労がおじゃんになった。
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧ありがとう！！！ ああああ感動してくれた！？ うっ、嬉しい……！！ 頑張ります！ ありがとね！！ (2021年8月13日 11時) (
レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白目黒口さん» しろくろありがとうーー！！ ひえ嬉しいです\(//Д//)/ 毎秒更新ww できるだけいっぱい頑張ります！！ (2021年8月13日 11時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 続編！！！待ってました！！！前章の最後の蓮水ちゃんとユリカちゃんのところでうわあああああ(語彙力)ってなりましためっちゃ面白い。更新頑張ってね！応援してます！ (2021年8月13日 11時) (レス) id: 2aa92eadb7 (このIDを非表示/違反報告)
白目黒口(プロフ) - ああああ続編ッ！おめでとう(=´∀｀) 出だしから最高です！！ 無茶しない程度で毎秒更新()頑張ってください！ (2021年8月13日 10時) (レス) id: c29c1a0e83 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» さすあお！！ ありがとう！！ そうですね、イチャイチャさせますよとことん(( むしろここからもまだ本番感もあるというか、れんの成長に関わる部分になってくるので、気長にお付き合い頂ければなと思います！！ がんばるねー！！ (2021年8月13日 10時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時：2021年8月13日 10時
