38話 初めての出会い ページ2
蓬莱side
『帰ろうか、凛』
「はい」
Aさんの技に驚愕したのか、ポカーンとする雷門を一瞥してから、私はAさんの隣について歩き出した。
そりゃあびっくりするよな。私も、最初に生で見た時には驚いた。
この人には、いつも驚かされる。
初めて出会ったときも、そうだった。
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私が白鷺に来たとき、フィフスセクターは活動を始めた。
管理されるサッカー。抗議した学校は潰され、従うしかない状況に追い込まれた。
元々先輩たちの中には内申目的でサッカー部にいた人も少なくない。シードも加入してきたりで、入学前に思い描いていたサッカーは、少しもできなかった。
けれど、どんな形であれサッカーができるならと、部活に存続し続けていた。
そんなある日、校門の前でウロウロしている女の人を見つけた。
サラサラの蒼い髪。綺麗だな、と見惚れていると、その人が私に気づく。
『君! サッカー部知らないか?』
「え……私、部員ですけど。何か御用ですか?」
どこかで見たことのある顔だな、と思いながら尋ねる。
すると彼女は「ちょっとね」とはぐらかし、案内を求めてきた。
「い、いきなりなんなんですか? あなた、誰なんです?」
『僕?』
彼女はフッと笑った。
『僕は円堂A。今日からこの学校で、サッカー部の顧問を務めることになった教師さ』
「……A、って……!」
『フッ』
その名を聞いた瞬間、記憶の中の顔と目の前の人の顔が結びつく。
ぴたりとピントが合ったとき、私の脳裏には一人の女サッカープレイヤーの名が浮かんだ。
──東雲A。
就任して間もなく、Aさんは「フィフスセクターに対抗する」と言い出した。
これには流石に、何人もの先輩たちが歯向かった。いくら天空の巫女とはいえ、一人でそんなことできるわけないって。
『サッカーをやる気のない者は出て行ってくれて構わない。三年生は、取り計らって三年間部活を続けたことにしてやる』
「……私たちは、あなたには従いません!!」
当時のキャプテンがそう宣言した。
サッカーをする場まで奪われたら、私たちはもうどこにもいけないから。
『へえ……じゃあ、勝負をしようか』
「勝負……?」
『サッカー部の問題だ、サッカーで決めよう。僕対君たち。結果で従わせる気はない。そのあとは、お前たちが自分で決めろ』
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杳覇(プロフ) - パティあすさん» パティあす様ーー!!あけましておめでとうございます!!あああ嬉しいです(T ^ T) 本年もどうぞ、天空の巫女をよろしくお願いします!! パティあす様も、今年一年、良い年になりますようにっ。 (2021年1月1日 16時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - 新年明けましておめでとうございます!いつも更新楽しみにしております!今年も頑張ってください!杳覇さんにとって良い一年になりますように。 (2021年1月1日 15時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - ぴのさん» びのおおおありがとうーー!!あ、それねえ……ちょっとしっかり考えてます(笑) がんばるね!ありがとう!! (2020年11月9日 6時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 続編おめでとぉぉ!やっぱり円堂は東雲ちゃんに勝てないのね(笑)今世間諸々忙しいと思うけど、更新楽しみにしてます! (2020年11月9日 0時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 星熊さん» ドルーー!!ありがとーー!!頑張りますっ!! (2020年11月8日 20時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杳覇 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時:2020年11月8日 18時