黒翼の夜叉姫は大人気携帯小説家 第10章 【イナイレ】

第408話　ザ・キングダムの無理 ページ4

タイミングも読み切れない。生半可な必殺技じゃ歯が立たない。

私達のディフェンスを次々と飲み込むアマゾンリバーウェーブから飛び出したロニージョのシュートは、守のいかりのてっついV2でも防ぎ切れず。


何とか弾いたところにオーバーヘッドキックを決められ、先制点を許してしまった。



……成る程。プログラムを逆手に取って、利用したのね。


必殺タクティクスとの合わせ技にしてくるとは……流石ザ・キングダム。


だけど……このままで良いとは思えない。



どこかモヤモヤとしたものを抱き抱えたまま、前半戦は幕を閉じた。





ベンチに戻る間際、守が言った。



「ロニージョ、無理をしている。その無理をチーム全体で何とかしようとしている。ゴールからはそれがよく見えるんだ……」

「やっぱりガルシルドだ。ガルシルドがロニージョ達を苦しめてるんだ！」

『だからと言って、私達に何が出来るの』



悔しそうに拳を握りしめる雷電に返した。

近くにやって来た有人も頷き、ガルシルドの方を見る。



「奴は堂々と現れた。俺達の無力と、ロニージョ達の無力を笑いに来たんだ」



……そうは言ったものの、やるせない気持ちは勿論ある。

こんな気持ちでする試合なんて……。


知らず知らずのうちに唇をかみしめた、その時だった。



「──実験は終わりだ！！」

「「！」」



ガルシルドの背後に、幾人もの警官達が現れたのは。

そしてその中央にいたのは鬼瓦刑事と……レオン・サムス。


ガルシルドは彼を見て、「おや、」と目を細めた。



「レオン・サムス前監督ではないか」

「何故ここにいるか、驚かないのか？」



何も言わないガルシルドの周りを、警官達が囲む。



「お前には聞きたいことが山程あるんでな。ガルシルド・ベイハン！ ちょっと事情聴取に付き合って貰うぞ」

『！』



これって……！

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