523話 ごめん ページ39
ガルシルド達が連行され、見えなくなったところで、東雲はそっとみんなの方を顧みる。
いつのまにか、かつての仲間達は、東雲の前に集結していた。
鬼道は、振り返った東雲の表情を見て、──ハッとした。
今にも、泣き出しそうな目をしていたからだ。
『みんな、……──ごめん』
「「!」」
深く頭を下げる東雲。
最敬礼したその姿勢をピクリとも動かさない。
イナズマジャパンは目を見開いた。
『……脅されていたとはいえ、みんなを裏切ったのは僕だ。オルフェウス戦で……もし、僕のせいで負けちゃったらどうしようかって、気が気じゃなかった。イナズマジャパンを、窮地に立たせたのは、僕だ……』
その姿勢のまま、東雲は言葉を紡いだ。
蒼い髪に隠れて、その表情は見えない。
彼女の口から、奥歯を噛み締める音が洩れる。
『……コーチなのにっ……!!』
静かなグラウンド。遠巻きに、ロココと大介が、東雲を見つめる。
彼女の声は震えていた。彼女が握りしめた、拳と共に。
『……だから、ごめん。許されることじゃないのは分かってる。でも、ごめん。ごめん──……っ』
「「……」」
誰も、何も言わない。
否、言葉にならなかったのだ。自分だけを責めている彼女への思いが。
シンと静まり返ったグラウンドの沈黙を打ち砕いたのは、円堂でも、鬼道でもなかった。
「……A。顔を上げて」
基山だった。静かな、しかし、有無を言わさぬ強い口調で、東雲に言う。
東雲は、恐る恐るというように、そろそろと頭を上げた。
基山の声は、低く、震えていた。
「……A。俺、今物凄く怒ってるよ」
『っ……』
俯く東雲。基山に同意見なのか、誰も何も言わない。
そうだよな──……東雲は心の中で呟く。
怒ってない訳がない。自分は、間違いなくそれだけのことをした。
分かっていた。しかし、責められるのは、やはり辛いな……。
東雲がそっと目を伏せる。が、震える基山の口から飛び出した言葉は、彼女が思っていたものとは全く別の言葉だった。
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Vermut(プロフ) - サッカーバカさん» ふあああっ、ありがとうございます…!!頑張ります!! ですよね!一息くらい良いですよね!!凄く力になりました!ありがとうございました!! (2019年11月26日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - Vermutさん» ありゃ、そうだったんですか…!でも、いいんです、やりたい時に更新やってください!!!!一息ぐらいいいじゃないですか。何かあろうと、やりたいこと曲げちゃダメです!私は曲げられても鋼の精神で曲げ返しましたから笑 頑張ってください!!!! (2019年11月26日 17時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - サッカーバカさん» ふえっ…ありがとうございます……!!それとホント申し訳ありません……高校の事じゃなくて、更新再開を親に止められてるんです……私の書き方が紛らわしくてほんっとごめんなさい……。お気持ちは物凄く嬉しいです!!ありがとうございます!! (2019年11月26日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - 受験校は自分が行きたいところへ!!!!!親に言ってやりなさい!「私が決めた学校だから、私が行くって決めた!親が行くわけでもない!自分の意思で行く!」って!私は、行きたい学校よりも、親に言われた学校に行ったので、Vermutさんは、行きたい学校へ! (2019年11月26日 17時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - ゆいチップスさん» ありがとうございます!帰還ですよおおようやく!! 受験勉強頑張ります!ありがとうございました!! (2019年10月27日 8時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Vermut | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時:2019年8月22日 9時