世界を駆ける天空の巫女 ４

141話 ライク、ラブ ページ8

『……す…好きって……ら、ライク…？』

「いや、ラブの方だ」

『ｯ！』


何分かりきった事聞いてるんだろう。



豪炎寺の瞳が、真剣に僕を捉えてる。

この瞳を、僕は何処かで見た事があった。



……そうだ。あの時だ。

守が、告白してきてくれた時の、瞳。


とても近いものが、そこにある。



……返事をしなくてはならない。

何せ、守と付き合っているのだから。


でも、どう言ったら傷付けないだろうか。



……いや、どうやっても傷付いてしまうな。





僕が何も言えず、ただ黙って豪炎寺の事を見つめていた、その時。


豪炎寺が、ﾌｯと笑った。



「すまない、悩ませてしまったな。答えは分かっているんだ。俺は、気持ちを伝えたかっただけで……」

『…豪炎寺……』



きっと辛い筈だ。

苦しい筈だ。痛い筈だ。


でも、豪炎寺は笑ってくれる。



「そのかわり、一ついいか？」

『…ああ。僕にできる事だったら、何でも言ってくれ』


豪炎寺は口を開きかけ、閉ざし、俯いた。



一体何を……って。





『……豪炎寺、顔真っ赤。そんなに恥ずかしい事なのか？』

「あ、い、いや//」



今になって、赤面してるじゃないか。


赤面するとこ違くないか!?

さっき告ったのに!!今!?



「…俺も……俺も春香って、呼んでいいか？俺の事も……名前、で、呼んで欲しい……」

『！……(ﾌｯ なんだ、そんな事か！』


僕が笑うと、豪炎寺は少しムッとしたように顔を上げた。

そんな豪炎寺の瞳を見つめ、微笑む。



『良いに決まってるだろ、"修也"(ﾆｺｯ』

「！////」

『あ、また赤くなった〜』

「う、うるさい////」



俯いた顔を覗き込むと、隠すように逸らしてしまう。

やっぱり、修也は可愛い←



『なあ、修也も僕の事名前で呼んでくれるんだろ？早く呼んでよ〜(ﾆﾔｯ』

「なっ！//」


悪戯っ子のような笑みを修也に見せ、急かす。

…暫くしたら、修也は目を泳がせながら口を開いた。


「……はる…か」

『うん』

「春香……」

『うん！』


修也が僕の目を見て言えるようになるまで練習(？)すると、修也もだんだん慣れてきたのか頬が冷めてきた。


『…っし、そろそろ戻ろっか』

「ああ、そうだな」


再び扉に手をかけ、開く……

…途中で気が付き、あっ、と振り向いた。


『……修也、ありがとね。告白してきてくれて。嬉しかったよ(ﾆｺｯ』

「！」


扉を開けたまま、僕は下に降りてった。

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