世界を駆ける天空の巫女 ４

162話 サッカーが好きなんです ページ29

次の日も、泥のフィールドで特訓。

しかし、昨日掴んだコツによって、みんなも動きが違ってきていた。


ボールを泥に落とさなければ、跳ねて汚れる事は無い。

それを見つけた僕達は、自然とその動きに対応していった。





修也がシュートを打つ。

それを、守が止める。



修也のシュートからは、熱い想いがここまで伝わってくる。


韓国戦へ駆ける想い。



サッカーが好きだ。


サッカーがしたい。


サッカーを、愛している。



そんな情熱が、伝わってくる。





やはり、このままではいけない。


僕はその日の夕方、早速行動を起こした。








No side



その日の夕方、円堂は稲妻総合病院で豪炎寺の父親を待っていた。


廊下の向こうからやってきた勝也は、円堂の姿を見つけて足を止める。



「俺、雷門中サッカー部、円堂守です!!」



そして、円堂はバッと頭を下げた。



「お願いします!!豪炎寺からサッカーを取り上げないで下さい…!!

あいつは、サッカーが好きなんです!!好きで、好きで、大好きで、でも、夕香ちゃんの事に責任を感じてっ……自分から、サッカーをやめて………今、やっと好きなサッカーが出来るようになったんです!!


お願いです!!豪炎寺から、サッカーを取り上げないで下さい!!!」



頭を下げたまま、必死に懇願する円堂。

それでも勝也は、円堂の横をすり抜けて行く。





「……ついさっき、君と同じ事を言ってきた子がいた」

「!!それって……」



円堂には察しがつく。

この事を知る人物は、豪炎寺と円堂の他に一人しかいないから。



勝也は目を閉じ、その時の事を思い出していた。

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