45.愛を囁け ページ47
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キヨ「Aさん!!!」
凄く長い時間に感じたけれど
多分私が噛まれるまで一瞬の出来事だったのだろう
レトくんは完全体の頭を何度も撃つも、やはりなんの意味もなかった
『いっ、……』
「おイしい……血…もっトたべタい…」
私の腕の一部がどんどん凹んでいき、完全体の中に消えていった
どれだけ腕を引っ張っても完全体は私を離す様子は無く、むしろ離すまいと力を込めるばかりでとてつもない痛みが走った
4人が何度も何度も完全体に銃を撃つ
牛「ショットガンでも倒せねぇのかよ…!」
ガ「…あれ、弾がもう……」
レト「お、俺ももう弾が…っ!」
パァン、と鳴り響いていた音は悲しくもカチャカチャという空音に変わってしまった
『ごめん、なさい……みんな…私死んじゃうかも…っ』
ぽたぽたと涙が伝って床にシミを作る
お母さんと同じ所に行けるなら、私は────
キヨ「…んな、…そんなことさせねぇ……っ」
『…っ!キヨ、さん……』
キヨさんは銃を放り捨て、私の腕に噛み付く完全体を蹴飛ばした
「ィぎゃぁア!!……キヨ、いたイ痛かタ…」
キヨ「お前はAさんじゃない……命を、感情を与えて本当に悪かった…
でも俺は……Aさんを、助けたいから…
Aさん。これを、使ってくれ…………」
『っ!?』
キヨさんは笑顔なのに泣きながら私の腕に何かを刺した
噛まれたのとは違う痛みが身体に走る
それは
紫色の液体が入った注射だった
『…キヨさん……これ……』
キヨ「俺の分まで生きてくれ…迷惑かけてごめんな……
Aさん、うっしー、ガッチさん、レトさん……
みんな、みんな……ごめん。大好き…」
『なんで…、なんで使ってないの…!?
あの時噛まれたのはキヨさんじゃないですか…!!』
キヨ「俺は、最後だけでいいから…君のヒーローになりたかったんだ………」
『キヨさんは……最初から私のヒーローだったじゃない………
だって初めて会った時私を助けてくれたのはキヨさんですよ……?』
そんな話をしているうちに、注射器の中の液体はどんどん減っていった
「きよ…どいテ…その女を食べるノ」
「はやク、ドケ…おなかすいて、ルか、ラ」
キヨさんの背後にいた完全体が起き上がる
『…!キヨさん、どいて……早く!!!どいてください!!』
「Aさん、愛してるよ」
彼は私を強く抱き締めた
強く、強く抱き締める
そんなことしたら…
目の前の完全体はキヨさんの首に飛びついた
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さんご(プロフ) - シャオランさん» わ〜!!嬉しいです😭この小説書いて良かったです!!ぜひぜひ何回も読んでやってください😌❤️コメントありがとうございました!! (2022年4月30日 19時) (レス) id: 435cdb899d (このIDを非表示/違反報告)
シャオラン(プロフ) - 今まで読んだ中で1番好きな小説です!もう1回読みたいと思わせるような小説で、画像などのクオリティが凄すぎてもうこれをゲームとしてプレイしたいとまでなりました!!素敵な小説ありがとうございます。 (2022年4月18日 17時) (レス) @page44 id: 3b3e01edc0 (このIDを非表示/違反報告)
さんご。(プロフ) - にこりさん» 嬉しいですありがとうございます;−;画像頑張った甲斐がありました!他の作品も読んでくださってるとの事なので、これからも頑張ります! (2021年9月18日 12時) (レス) id: 964fb42fef (このIDを非表示/違反報告)
にこり(プロフ) - こういうタイプの小説初めて読みました!画像とか凝ってて面白かったです。他の作品も読んでいます素敵な作品をありがとうございました! (2021年9月18日 8時) (レス) id: 77e29caa07 (このIDを非表示/違反報告)
さんご。(プロフ) - sugarさん» ありがとうございます!楽しんでいただけたなら嬉しいです(*´ `*) (2021年9月3日 10時) (レス) id: 964fb42fef (このIDを非表示/違反報告)
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