【実況者】ラブ・デス・ゲーム─season2─

#76 ページ29

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高い屋根に登る2人を見ていると、不意にハチマキになにか黒い文字が書かれたのが見えた



レト「んー……？あれなんやろ」

ガ「あの2人のハチマキになんか書かれたっぽいね」

『私も思いました……なんて書いてあるんだろ』



凝視していると2人はブラックホールからこちらへと戻ってきた

そのハチマキには



『“大将”と“中将”って刺繍がそれぞれにしてありますね』



牛沢さんのハチマキの中央には“大将”

キヨくんのハチマキの中央には“中将”と刺繍が施されていた



キヨ「え、マジ？」


牛「てことは……他の軍もこうなってるってことか


緑以外のハチマキしてて“大将”と“中将”って刺繍がしてあるやつは強う可能性があるから注意ってことだな」



［ラブデスゲーム運営よりお知らせです


東軍の大将と中将が決定致しました

東軍の皆様はそれぞれご帰宅していただき、ハチマキも外していただいて構いません


それでは東軍の皆様は合戦本番でお会いしましょう］



キヨ「だってよ」


レト「そういやガッチさん、視察の結果はどうだった？」


ガ「どうやら……俺らユーザーそのものが移動してきてるみたいなんだ

海外まで行ってみようと思ったんだけどどうやら今俺らがいるこの星は日本しかない」


牛「なんだそれ、規模が違いすぎるだろ」


ガ「あぁ。小さく縮小された星みたいで、アイテムの船を使って海を渡ったんだけどどの大陸につくことも無く着陸したのは日本の反対側だった」



本当にこのワールドには日本という場しかないようだ。

日本……というか、バトルフィールドと言った方が正しいかもしれない


だから空の色も変でやたら人も少なかったんだ

こんな大それたことをする……そのくらいこの合戦自体規模が違うものということだ



牛「それが分かっただけでも大収穫だな」


レト「じゃあ……帰る？」


『あ、ちょっと待っててください』



私はスマホを取りだし、LINEを開いた

そして“みるく”と表記されたトーク画面をタップする



みるくちゃん、今どこにいる?
みるくみるくはもう家に直帰してるにゃ!Aも気をつけて帰るにゃんよ!



『もう帰っちゃったんだ……』


キヨ「どうした？」


『みるくちゃんも一緒にうちに呼ぼうかなって思ったんだけどもう帰っちゃったみたい

私たちだけで帰ろっか。ガッチ先生も来ませんか？』


ガ「一応生徒と教師だし、我慢しとくよ」



じゃ、とガッチ先生は笑顔で手を振り私たちに背を向けた



キヨ「俺らも行こっか」


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