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長い時間をかけてやっと学校に着いた。
……というのも今日はどこか街の様子がおかしかったのだ
駅では電車が走っておらず、仕方なくここまで徒歩で来て。
いつもは通勤通学の時は混んでいるコンビニすらやっていなかった
24時間年中無休のはずのコンビニが。
その全ての原因をひとまとめにすると、
殆ど人がいない。
駅員も、コンビニの店員も。散歩をするおじいさんや犬だって居なかった。
たまに歩いている人を見かけるも、その人達も私と同じように周りを怪しんでいたりこの状況に困惑する者ばかりだった。
『……何が起こってるの？』
そしていつもと1番違うところは、空だ。
曇りとも言い難い濁った色をした空。
夕方でもないのに空は暗めの紫色に染っていた。
学校の門は何故か開いていた為、ゆっくりと中に入る
するとその時
「A！」
『あ、キヨくん……！』
自転車を押して駆けて来るキヨくんが声をかけてくれた
隣に並んで歩くも、いつものように茶化す人達はいない。
「……Aも気づいてる？」
『……うん、色々とおかしい……よね』
「あぁ、人が少なすぎる。電車も動いてなかったし……それに、テレビ見た？」
『テレビ？見れてない……何かあったの？』
「何もやってなかったんだよ。どのチャンネルも砂嵐で」
その原因も人が少ないことにあるのだろう
全てに作用する重要な人間がいないのだから、電車が走らないのもコンビニが休むのもテレビが放送されないのも当たり前だ。
「愛のゲームのメールにあった…一般人を気にせず戦うための対処、ってやつなのか……？」
『！……そう、かも。そう考えるのが1番自然だよね』
進んでいた足は駐輪場に着き、キヨくんは自転車を置いて鍵をかけると突然じっと私の顔を見つめた
「……A、泣いた？」
『えっ！？なんで！？』
「目、腫れてるから。……あ、デリカシー無さすぎたよな！？ごめん……！
なんつか、何かあったのかなって気になって」
焦って饒舌になるキヨくんに少し笑ってしまう
『確かに泣いた……けど、これ嬉し涙だから大丈夫』
「嬉し涙？」
『うん、昨日みるくちゃんにゲーム誘われてその時に電話したんだけど……
みるくちゃんも東軍なんだって。それ聞いたら安心して泣いちゃって』
「おい、アイツAと2人でゲームしたのかよ！！クッソ〜俺も誘えってのに
今度会ったらしばかねぇとな」
そうぶつくさ文句を言うキヨくんは
どこか安堵したように微笑んで、口角を上げていた
なんだかんだ言って、みるくちゃんのこと大切なんだろうなぁ
#69 ページ22
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長い時間をかけてやっと学校に着いた。
……というのも今日はどこか街の様子がおかしかったのだ
駅では電車が走っておらず、仕方なくここまで徒歩で来て。
いつもは通勤通学の時は混んでいるコンビニすらやっていなかった
24時間年中無休のはずのコンビニが。
その全ての原因をひとまとめにすると、
殆ど人がいない。
駅員も、コンビニの店員も。散歩をするおじいさんや犬だって居なかった。
たまに歩いている人を見かけるも、その人達も私と同じように周りを怪しんでいたりこの状況に困惑する者ばかりだった。
『……何が起こってるの？』
そしていつもと1番違うところは、空だ。
曇りとも言い難い濁った色をした空。
夕方でもないのに空は暗めの紫色に染っていた。
学校の門は何故か開いていた為、ゆっくりと中に入る
するとその時
「A！」
『あ、キヨくん……！』
自転車を押して駆けて来るキヨくんが声をかけてくれた
隣に並んで歩くも、いつものように茶化す人達はいない。
「……Aも気づいてる？」
『……うん、色々とおかしい……よね』
「あぁ、人が少なすぎる。電車も動いてなかったし……それに、テレビ見た？」
『テレビ？見れてない……何かあったの？』
「何もやってなかったんだよ。どのチャンネルも砂嵐で」
その原因も人が少ないことにあるのだろう
全てに作用する重要な人間がいないのだから、電車が走らないのもコンビニが休むのもテレビが放送されないのも当たり前だ。
「愛のゲームのメールにあった…一般人を気にせず戦うための対処、ってやつなのか……？」
『！……そう、かも。そう考えるのが1番自然だよね』
進んでいた足は駐輪場に着き、キヨくんは自転車を置いて鍵をかけると突然じっと私の顔を見つめた
「……A、泣いた？」
『えっ！？なんで！？』
「目、腫れてるから。……あ、デリカシー無さすぎたよな！？ごめん……！
なんつか、何かあったのかなって気になって」
焦って饒舌になるキヨくんに少し笑ってしまう
『確かに泣いた……けど、これ嬉し涙だから大丈夫』
「嬉し涙？」
『うん、昨日みるくちゃんにゲーム誘われてその時に電話したんだけど……
みるくちゃんも東軍なんだって。それ聞いたら安心して泣いちゃって』
「おい、アイツAと2人でゲームしたのかよ！！クッソ〜俺も誘えってのに
今度会ったらしばかねぇとな」
そうぶつくさ文句を言うキヨくんは
どこか安堵したように微笑んで、口角を上げていた
なんだかんだ言って、みるくちゃんのこと大切なんだろうなぁ
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さんご(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございます、、！Xの方に🗻視点のお話もあるのでよければぜひ！ (1月12日 0時) (
レス) id: 4c714dcc22 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 凄い作品に出会えて感激です..!とんでもない文才ですね!凄く楽しく読むことができました。これからも頑張ってください( *´꒳`*) (1月5日 19時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
さんご(プロフ) - なみのさん» 長編にもかかわらず最後まで読んでくださりありがとうございます☺︎楽しんでいただけたならなによりです！ (11月13日 1時) (レス) id: b4a1483ffc (このIDを非表示/違反報告)
じゃーんえっちふん - みるくちゃあああああああん (10月15日 21時) (レス) @page49 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - とっても面白かったです！あまりにも作り込まれていて、感動しました・・・大好きです！！ (10月15日 21時) (レス) @page49 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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