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「メイクってあんたを別人にするツールじゃないでしょ。今ある顔をちゃんと出すためのもんでしょ!?」
うざい。うざいことこの上ない!
可愛くなりたいと言うから協力してやったのに、いちばん自分の容姿を忌み嫌って否定しているのはA自身ではあるまいか。
きっと、泉にとってメイクは活かすもの……翻訳のような役割であるのに対し、Aにとっては隠して変身するもの、防御のためのツールであるらしい。正反対も正反対。噛み合わないのも無理はない。
「あんた世界で一番可愛くなりたいんじゃ………いや、違うな。あんたはきっと、世界で一番可愛くなったところで自分を可愛いと思えない」
「? よくわかんない。難しい話しないで」
「うるさい黙って喋らないでイライラするから」
「口悪っ」
きっと彼女は自己肯定感が限りなく低いのだろう。一時メイクを施したところで意味はない。
「別人に変身することでしか自分を肯定できない人間」への接し方なんてアイドル科では教えてもらっていなくて、泉は右手にAから取り上げたクレドのファンデ、左手を顎に添えてしばらく考えて……
「……わかった」
「え?なにを、」
「喋るな!」
「ひどくない!?」
自信がないならつけさせればいい。
自分に好きな部分がないのなら作ればいい。要するに自愛。泉の得意分野。
そして、彼のそれは弛まぬ努力に基づいたものである。
なら、このバカな子にも努力をさせねばならない。自分を愛する基盤を作らせねばならない。
努力して足掻いて藻掻いたその末に、Aが変身すら解いた自分を「世界で一番可愛い」と形容できるように。
「覚悟してよねぇ。俺が、あんたのそのひん曲がった根性叩き直してやる!」
───かくして、瀬名泉による毒嶌Aのプロデュース計画は始まったのである。
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紅鮭(プロフ) - あやめさん» コメントありがとうございます!夢主を大好きと言っていただきとっても嬉しいです!趣味が合いますね🎶 星5取り次第更新再開しますので、どうか気長にお待ちください! (2月27日 21時) (
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あやめ - いつも楽しく読ませてもらってます!毒嶌ちゃんみたいな女の子大好きです!ママの感謝祭、応援してます!続きも楽しみに待ってます✨ (2月27日 19時) (
レス) id: 5659e626b3 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭(プロフ) - koryiさん» 嬉しすぎるコメントにお気に入り登録までありがとうございますー!!これからもkoryiさんに面白いと思っていただけるように頑張ります🎀🤍 (2月17日 0時) (
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koryi(プロフ) - あの!すっごい面白いのでお気に入り登録させていただきました!これからも更新楽しみにしてます! (2月16日 20時) (
レス) id: 183499ceb2 (このIDを非表示/違反報告)
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