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善なるものと人は呼ぶけど ページ13







難しい子だと思ったのだ。


「よろしくお願いしますっ!」


レース。砂糖菓子。スパンコール。
そういう甘やかで素敵なものを連想させる声で彼女は言った。
オーバーサイズのアウターに短く折られたスカート。ずっと男の子しかいなかったコミュニティに飛来したそのピンク色がもたらしたのは、きっと素敵なものだけじゃなかったように思う。


「え〜っ!すごいすご〜い!練習、もっと見学しててもいいかなぁ?」


甘い言葉でラッピングされた値踏みする視線に気づけないほど物を知らないわけではなかった。


「だからさ、Aそういうの無理って言ってんじゃん。なに?耳悪いのアンタ?プロデューサーできんのそれで?」


その毒が、自分が姉のように慕っているその人に牙を剥いていることを知らないほど愚かじゃなかった。


「あっ翠くん!おはよ〜!」
「わっ……お。おはよう……」
「聞いて聞いて!昨日AP科の課題やってたら徹夜しちゃってさぁ」


だから、その愛らしく彩られた爪が、毎日ふたりぶんの業務に追われて疲れきっているあの人とはまるで違うその手が、クラスメイトに触れるたび紫之創は「難しい」と思ったのだ。

みんなに笑っていてほしい。
みんなが幸せならそれでいい。
でも、あの子も?


「センパイって真面目だよねぇ!A、びっくりしちゃった」


その声を聞く度にどうして、と思う。
どうして、そんなことを言ってしまえるんだろう。

───何か事情があるのかもしれない。
だから、踏みにじっても許される?
───本当はこんなことしたくないのかも。
それが免罪符になってしまえるのなら、あの人の悲しみはどうすればいい?
───でも、何も知らない自分達が彼女を勝手に断じてしまえば、踏みにじっているのはどちらだと言う話。


ぐるぐる言葉が巡って目が回った。こびりついた音は自分を放してくれなかった。
きっとそれは、彼女の言葉に中学時代の嫌な思い出がフラッシュバックしてしまった故であったが、創はあえてそのことからは目を逸らした。そこまでして彼女を悪いものだと決めつけたくなかったから。

それでも、彼女の言動、その姿からは決して目を逸らしはしなかった。
今は難しくても、いつかは理解したかったから。
それが紫之創の善性、周囲からは「優しさ」と呼ばれる彼の強さだった。



──故に。


「あれ、毒嶌さん……もしかして、メイクちょっと変えました?」


その変化にいちばんに気づいたのは創であった。

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紅鮭(プロフ) - あやめさん» コメントありがとうございます!夢主を大好きと言っていただきとっても嬉しいです!趣味が合いますね🎶 星5取り次第更新再開しますので、どうか気長にお待ちください! (2月27日 21時) (レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ - いつも楽しく読ませてもらってます!毒嶌ちゃんみたいな女の子大好きです!ママの感謝祭、応援してます!続きも楽しみに待ってます✨ (2月27日 19時) (レス) id: 5659e626b3 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭(プロフ) - koryiさん» 嬉しすぎるコメントにお気に入り登録までありがとうございますー!!これからもkoryiさんに面白いと思っていただけるように頑張ります🎀🤍 (2月17日 0時) (レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
koryi(プロフ) - あの!すっごい面白いのでお気に入り登録させていただきました!これからも更新楽しみにしてます! (2月16日 20時) (レス) id: 183499ceb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鮭 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2025年12月30日 0時

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