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story37 ページ38
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サイズの大きくなった制服のブレザーを布団に放り、ベルトを外す。
ワイシャツ一枚まで脱ぐと水槽に飛び込んだ。
ぱちぱちと目を開ける。
先程まで歩いていた足はくっついて鮮やかな鱗が生える魚になっていて、
ずっと折り畳まれたままの羽が大きく広がっている。
目の前には鮮やかな鱗の私とは違い、穏やかで落ち着いた暗い色の触手。
にっこりと笑った。
「ふふ、やっぱりアズールはこうでなくっちゃね」
「そんなにこちらの姿がいいんですか？」
「だって見慣れてるからね」
僕は不便ですけどね、と目頭を押さえてアズールはそう言う。
そういえばタコは色盲なんだ。
海の中に入ってしまえば、アズールは色の見分けがつかない。
私の目立つ羽も、なにも言わない。
するりと手を取られた。
こぷこぷと口の端から泡がこぼれる。
「今度の舞踏会、どうか僕と踊ってはいただけませんか？」
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作者名：桜井庵 | 作成日時：2020年6月28日 22時
