鱗のつばさ (ページ35)

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(幕間)

「アズールくんは罪な男だねえ、そのネックレス博物館の新作でしょ？」

「おや、なんのことですかね？僕はただ慈善活動をしてくださる人間に少しばかりのお礼をしただけですよ」

「これだから性格の悪い男は…………」

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side監督生

オンボロ寮に帰ってきてから、チラチラと頭に先輩の姿がよぎる。

綺麗な目に綺麗な髪。

しかもプレゼントまで！

まるでヴィランじゃなくて王子さまだ。

彼のためなら私はバイトくらいタダでもできる。

当日はこのネックレスをつけていこう。心が躍った。

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ぐつぐつ、ぐつぐつと自室の小さな釜に入った液体をかき混ぜる。

横ではゆらゆらとロッキングチェアに腰を掛けて本の続きを読んでいるアズール。

「もうすぐ～作り終わる～よ～～」

「なんですか？その歌」

「お薬が完成するよの歌」

最初は緑色だった液体はやがて紫色へと変色する。

棚に並んだ小瓶を三つ取り出して、ピペットで同じ量入れれば完成だ。

これで三回は変身できる。

ひとつは机の上へ、残りのふたつは戸棚にしまい直した。

机の砂時計をひっくり返し、ベッドに座る。

「本日のお悩み相談はアズール・アーシェングロットさんでーす」

「なんですか急に」

「とりあえずその本を置いてくださぁい」

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