鱗のつばさ (ページ32)

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薬研で草をすりつぶし、試験管にスポイトで液体を入れる。

そして最後にペンを振る。

魔法薬学と銘打って、結局は最後にペンを振るだけの調合に過ぎない。

「魔法薬学は目分量はだめだよ。絶対失敗するから」

ぐっと押し黙る一年生コンビに笑った。

なにも小数点以下の調合じゃないのに心が折れるのが早すぎる。

「そういえば、先輩はなんでここに？」

「あー、僕普段から薬飲んでるんだけど、いちいち病院行くのめんどくさいから自分で作ってるんだよね」

「そんなことできるんですか！？」

「できるよ、アズールだって契約で使う薬は作ってるもの」

「僕の作る薬は、グレイのものとは比が違いますけどね」

いつの間に終わったのか、背後で片手に数本試験管を持ったアズールが立っていた。

「あくまで僕の薬はカレッジの内容の応用。グレイのものは専門級ですよ」

「おや嬉しいこと言ってくれるね、リドルくんには負けますけどね」

そこでハッと一年コンビが顔を青くした。

成績が悪いからリドルくんに怒られるのを危惧しているのか。

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