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side監督生
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中庭に出て、ベンチに腰かける。
フロイド先輩は先程からチラチラと自分の教室を気にかけているようだ。
「それで話ってなぁに？」
「あの、セイレーン先輩のことなんですけど……」
「なに？気になるの？」
こくこくと頷けば、なるほどねえと間延びした返事で唸り始めた。
セイレーン先輩。歌が上手くて、優しそうな人。
背はそんなに高くなくて、しっかりお化粧をしていて、髪の毛が長くて、まるで女の子みたいな人。
「グレイはねえ、歌手だよ。すっごい有名なの。セイレーンっていう種族で、あの羽はその種族の特徴」
「なんで今日から学校に？」
「うーん、ちょっと怪我しててねぇ。ずっと部屋で療養してたんだけど、治ったから」
「じゃあ、もうひとつだけいいですか？」
「うん、いいよぉ」
「……セイレーン先輩って、女性ですか？」
ぴくりと眉が動いた。
フロイド先輩が軽く顔をしかめる。
「グレイは男の子だよ？ここ男子校だし」
「や、やっぱりそうですよね！」
「そうそう。確かに中性的ではあるけどさぁ。グレイも気にしてるからあんまり突っ込まないであげてねぇ」
じゃあねぇと踵を返して歩いていってしまう先輩。
あれはなにかを隠している。
そう手に取るようにわかった。
どうしてだか、私はセイレーン先輩が気に入らない。
アズール先輩がセイレーン先輩を止めた時、ずきりと胸が痛んだ。
男の子と男の子。
ただのじゃれあいのようなものなのに、彼の顔は女性らしくて、きっとこれは醜い嫉妬だ。
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作者名：桜井庵 | 作成日時：2020年6月28日 22時
