32話「僕らのランボルギーニ」 ページ32
「そういえば、鉄朗パパは元気？」
「おー、元気元気。お前に会うって言ったらさ、「俺も会いたいな」っつってたわ」
「私も叔父さんに会いたいな〜」
そう言う千冬を親父はとても可愛がっていた。俺は息子だから、姪にあたる千冬が娘のようなものなんだろう。千冬も親父にはとても懐いていたし。ただ、千冬にはでろ甘な親父が、一度だけ千冬にとても苦い表情を向けたことがあった。
︙
「千冬、誕生日はどんなプレゼントがいい？」
「父ちゃん、俺のは？」
「鉄朗は仮面ライダーベルト」
「いらねえよ！ それ父ちゃんが欲しいだけだろ！」
「父ちゃん電王好きなんだよ」
俺と親父のやり取りに、千冬はケラケラと笑っていた。妹、娘の笑顔を見るような感覚だからか、俺も親父も千冬が笑ってくれると嬉しかった。
「お前もなんとか言えよ、このままだと千冬のも仮面ライダーグッズになっちゃうぞ」
「いや、千冬にはちゃんと選ばせるから」
「なんでだよ！」
「千冬仮面ライダーのはいらない！」
「うんうん、大丈夫だよ。何がいいかな」
「ランボルギーニ1択」
確かその日は、俺と千冬は午後のロードショーを見ていて、その中でとある女優が「ランボルギーニ1択」という台詞を言っていた。恐らくそれを真似したのだろうが、生憎親父はそれを見ておらず。
「ラ、ランボルギーニは……叔父さんちょっと買ってあげられないかな……」
千冬の発言を真に受けて、顔をこれでもかと引きつらせていた。
︙
「うーーん……」
「どうしたの鉄朗、便秘？」
「どうしたのはお前だよ？？ 便秘とか言うんじゃないよ堂々と。いや、千冬と俺と親父の思い出って何かないかなーと思ったらさ、クソくだらないのしか出てこなくてさー」
「あー……わかる。ランボルギーニとかね」
考えることは一緒だ……と頷き合った。
「(ランボルギーニ？？)にしても、黒尾と千冬ちゃんて結構似てるとこあるよね」
「そうですかね？ 海さんがそう言うなら、間違いないのかも」
「千冬もクロも、アホなところあるから」
「ちょっと研磨サンそれは聞き捨てならねーな。俺は千冬ほど馬鹿じゃねーぞ」
「おい」
そんなやり取りをしていると、福永が俺の皿にポイポイとシイタケを放り込んだ。コイツは、嫌いな食材があるとすぐに俺の皿に入れてくる。もちろん丁重にお返しした。なぜならシイタケは俺も嫌いだからだ。
久しぶりに、千冬込みの音駒の空気を体感したのだった。
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志織(プロフ) - ヒトさん» ホリミヤいいですよね！ハイキューを全面に押し出しつつ、ホリミヤ成分もそこはかとなく入れ込みたいと思います（笑）コメントありがとうございました！ (2019年12月4日 21時) (
レス) id: de7effe731 (このIDを非表示/違反報告)
ヒト - ホリミヤネタ最高です。 (2019年12月2日 21時) (レス) id: 3761af80f9 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - 八重さん» コメントありがとうございます！ヒロインなら私も金田一かなと思いますが、国見は何となく自己主張強そうなのでああいう感じです（笑）私はギャグセンスがないのでは？と思っていたので、面白かったと言っていただけて何よりです！ (2019年8月7日 16時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
八重(プロフ) - 面白すぎてずっと笑ってたら姉に(･∀･)<ｳﾙｾｪェェェエエって言われましたどうしてくれるんですか？(謎) (2019年7月27日 13時) (レス) id: 9f24637045 (このIDを非表示/違反報告)
八重(プロフ) - いやぁー私思うんすけど、やっぱりヒロインは国見じゃなくて金田一だと思うんですよぉー(笑) (2019年7月27日 13時) (レス) id: 9f24637045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志織
| 作成日時：2018年4月7日 10時
