リンゴーン♪ ページ30
「そうかい、でも君が作る料理は不味そうだなぁ。まず僕がお手本を見せてあげようか?」
コノハヅキさんはそう言って笑ったけど、目が笑っていなかった。
リーオックさんの目つきも恐ろしい。
それから二人が発し始めた殺気により、猛烈な勢いで部屋の温度は下がった。
だけど二人は、間に座っている僕のことなんて見えていないに違いない。
ああ……紛れもなく、僕の命は今、危機に瀕している。
盛り付けに手間取ってでもいるのか、ユウミさんはまだキッチンから出て来ないし……
とにかく今はここにいられない。
このままだと、絶対また巻き込まれるもの!
僕はダイニングルームから一旦避難する事に決め、そっと立ち上がり……そろそろと居間の方へ忍び足で向かった。
でもそれをリーオックさんにもコノハヅキさんにも止められる事はなく、僕は無事に居間へたどり着く事が出来た。
閉めたばかりのダイニングルームの扉に寄りかかり、良かった……と僕が胸を撫で下ろしたその時。
リンゴーン♪
サンクチュアリの玄関扉のチャイムが鳴った。
あ…………………………………
僕がその場に立ち尽くしていると、「はーーーい!」と別の扉から出て来たユウミさんが、ハンカチで手を拭きながら飛び出して行った。
瞬く間に「ガチャリ」と玄関の扉が開く音がする。
そして……
「あらあ!あなた、すごい美人さんねぇ!特にその金髪!ツヤッツヤで羨ましいわぁ〜。
あ、初めてなのに驚かせてごめんなさいね。私はここに住んでいるリーハ・マフィーの母、アンジェラ・マフィーです。あなたが、ここの大家さんよね?突然で悪いけど、私は息子のリーハを迎えに来たの。」
どうしよう…………お母さんが来ちゃった!!
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作者名:木の葉月&シャーロック | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sherlock_Rio
作成日時:2020年11月13日 12時