【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS・２ (ページ20)

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怒りの当てどころ２ページ20

２号室の前に立った僕は、怒りを込めてかなり強めに扉をノックした。
「リーオックさん！お話があります……！」

でも、部屋から反応はなかった。

僕はしばらく待った。
けれど、何分経っても扉は開かないし、声が返ってくる気配もない。中は不気味に静まり返っている。

リーオックさんは寝てるのかな？
でも寝ているなら、さっきのノックと僕の声で起きたはずだ……
リーオックさん達は、気配を察知する能力が人一倍あるみたいだし、僕はワザと大きな音を出したからね！

多分、また窓から外に出て……部屋にいないんだろうな。

……腹立つなぁ！
コノハヅキさんもリーオックさんも変人すぎるんだよ！

僕は苛立ちを抑え切れずに、２号室の扉を……傷だけは付かないようにと気をつけながら……軽く蹴飛ばそうとした。

ところが。
僕の足が扉に触れようとした、まさにその瞬間。
２号室の扉は、一週間前と同じように内側に勢いよく開いた。
目標を失って空を切った足のおかげで、僕は体のバランスを戻せずに部屋に倒れ込んだ。

「お前がその気なら、歓迎するぜ。」
僕の目の前には、黒光りする二つの靴の爪先があった。
「あ、り、リーオックさ、あ、いや、これは、あの……」
「こっちが黙ってりゃ、その内いなくなるかと思ったが……まさか殴り込みに変更するとはな。良い度胸してるじゃねぇか。」
「ち、違うんです！！あのっ……」

うわっ……どうしよう！いきなり命が危ない！！

僕は慌てて立ち上がろうとした。
けれども、すぐさま背中を足で押さえつけられた。
「い、痛い、痛いです……！」
「はっ、当たり前だろ？」
顔を上げた時にチラリと見えたリーオックさんの目は、とても険しかった。

僕はゾッとした。
早く謝らないと、冗談でなく死ぬ！

「違います、な、殴り込みなんてしようとしてませんっ！あの、僕ちょっとイライラしてたんです！ど、ドアを蹴飛ばそうとしてごめんなさいっ！」
「ごめんで済むなら警察はいらない。」
間髪入れずにこの切り返し……それをあなたが言うのはどうかと思うけどね！

更にリーオックさんは、僕の背中に乗せた足にグッと力を入れて来た。
「うぎゅ、や、やめて……！」

あああ、どうしてそんなに不機嫌なんだ？！

しかも待って、これは僕だけが悪いんじゃないでしょ！
リーオックさんだっておかしいじゃん……！
部屋に居るなら「居る」って言ってくれれば良かったのに！