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「しょうちゃん」
Aが小一で俺は小二。真っ赤なランドセルを背負ってにまにまと笑っている。ねえねえと続けて尋ねてくるから、何、とにべもなく問う
「先生結婚しちゃうんだって。可愛かったもんねー」
「幸せそうだったよな」
「しょうちゃんは私のこと好き？」
小首を傾げてAは問う。恋バナに熱心で、よくそういう話を友達としているのを見かける。俺はめんどくさくて、頭を掻きながら口を開く
「うん」
「じゃあしょうちゃんは私のお姫様になって」
「…お前まだそれ言うのかよ」
「私は王子様になりたいのー」
昔見た絵本。ストーリーはありきたりで、怪物に捕らわれたお姫様を王子が仲間を引き連れて救いに行くやつだ
ちんぷんかんぷんなことばかり言うものだから、俺は息を吐いて、白線の上を通って先を歩く後ろ姿を見つめた
「おい、プリント出てる」
「ほんと？へんなのーちゃんとしまったのに」
「…俺がおばさんに渡しとくよ」
「？うん、ありがとう」
ランドセルから奇妙にはみ出ていた白い封筒。あて名の所に男の名前。こいつは人見知りの癖に誰にでもにこにこ笑いかけられるという特殊な能力があった
加えて容姿も整ってはいた方だったから、そういう気がある男子はちらほらいた。近所とかクラスとか、幼稚園のいじめっこもそうだった
変な虫は遠ざけねば。変な使命感を胸に、俺は封筒をきっちり半分に折ってポケットにしまいこんだ。行方はどうなったか忘れたが、たしかシュレッダーの餌になった気がする
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William(プロフ) - わ~コメントありがとうございます(^^)あのお話は数年間懐で温めてた自信作だったのでそう言っていただけて嬉しいです。番外編、頑張って更新しますので楽しみにしていてくださいね。いつもありがとうございます。 (2020年5月24日 23時) (
レス) id: 3ee161ce59 (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - 相澤先生のお話で目を舐める話を最近読んですごく印象に残ってたから読んでみたんですが、同じ作者様だったんですね！！好きです！！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 8f61effecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：William | 作成日時：2020年5月23日 0時
