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不慣れ ページ8

式典の会場となる場所は海が見える貴族の溜り場の様な砦だった。

頬に当たる潮風は心地よいものの、きつすぎるコルセットのせいで何も頭に入って来ない。

そのうちに赤と白がモチーフの軍服を着た海兵達が号令に合わせて動き出した。


「全体、二歩前へ進め。」


海兵達が銃についた剣の先を上にしてアーチ状にした所を一人の男性が歩いている。


どうやらあの人がノリントン提督のようだ。


なかなか端正な顔立ちをしている。

「はぁはぁ…」


不意に荒い息遣いが隣りから聞こえてきた。


「エリザベス、さっきから苦しそう。大丈夫?」


「へ、平気よ…。」


エリザベスの顔は真っ青だった。


式典が終わり、足元のふらつくエリザベスを見晴らしの良い場所まで運んでいると知らない男が私を見ている。

「ヴィクトリア、あの人あなたに気があるわよ。私なんか置いて行ってきたら?」



「結構よ。私は興味が無いから。」


エリザベスも流石に気を使っているらしいが、私は長時間履きなれないヒールのついた革靴を履いているせいで足が痛くて仕方がない。


そうこうしていると先程昇格したばかりのノリントン提督がこちらへ歩いて来た。


「しばしお時間を。」


提督は私に目を向けると「こちらの方は…?」とエリザベスに紹介を求めた。


「し、知り合いの子です…はぁはぁ。」

エリザベスは時折苦しそうにうめき声を出しながらなんとか一人でたどり着き、壁にもたれかかった。

「ヴィクトリア・シャネルです。提督のお噂はかねがね耳にしております。」


「ジェームズ・ノリントンです。」


エリザベスの側まで来ると提督は足を止めた。


「Ms.スワンも美しいが、Ms.シャネル。あなたは大変お美しい方だ。」


紳士的な態度と、突然の告白に一瞬ドキッとしたが、その部分を境に私は提督の話をまともに聞いていなかった。


右足だけ靴擦れが酷くて、靴を脱ぐことに夢中だったからだ。

エリザベスのものよりもドレスの裾が長いため外からは見えないからうまく利用できる。


「Ms.シャネル、大事な話があります。多少ぶしつけなのはお許しを。」


「息が苦しい…。」


エリザベスが扇子を動かすペースを早めながら前かがみになって言った。


「ええ。私も緊張しています。」


提督が後ろを向いた時、エリザベスが突如として私にしがみついてきた。


驚いた私はバランスを崩し、既に気を失っているエリザベスと共に海へ向かって落ちていった。右足の靴を一靴だけ残して。

海賊→←鍛冶屋の青年



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Caesar(プロフ) - ティコ。さん» 返信遅れて本当にすみません!!m(_ _)m面白いという御言葉すっごくありがたいです!!ありがとうございます!!!更新頑張りますね! (2018年3月1日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ。(プロフ) - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください!あと、1つ質問なのですが、名前は固定ですか? (2018年2月28日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» 追記:本当にありがとうございます! (2017年8月7日 21時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» あれ見たらファンになっちゃいますよね!その気持ち凄く共感できます!! (2017年8月7日 19時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
むらなか(プロフ) - 私もパイレーツファンでいつも楽しく読ませていただいてます。更新楽しみにしてます!笑笑 (2017年8月7日 17時) (レス) id: ce8b8b5d42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ダージリン x他1人 | 作成日時:2017年7月1日 15時

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