解放 ページ33
やっと一人片づいたかと思ったらスパロウの胸にバルボッサが剣を刺しているのが目に留まった。
「ジャック!!」
思わず声を上げて慌てて良く見えるところまで移動するとスパロウはゆっくりと月明かりの当たるまで後退り、こちらを見た。
「!」
スパロウはバルボッサたちと同じ呪われた姿となって、カタカタと指の上でアステカの金貨を動かす。
「誘惑に負けた。」
スパロウもバルボッサも互角と言ったところだ。
懸命に闘う彼らの姿に目を奪われつつも二対一で苦戦するウィルに加勢した。
「お前に教えてやる!本物の苦痛を!」
少し目をはなしていると、ウィルが海賊に追い詰められていた。
そこで私は手近な銅像を取ると思い切り海賊を横殴りにした。
「苦痛…?そんなの知ってるわ。仲間を失うこと。」
海賊達を全てまとめるとウィルは爆弾を置いた。
「面白いアイディアね。」
「君のアイディアに習ってみた。」
私は顔を見合わせて微笑んだ。
再び気持ちを引き締めて金貨のある場所へ向かい、スパロウから金貨を受け取った。
身の危険を感じたバルボッサは無言でウィルに銃をむける。
バン…!
スパロウはバルボッサを撃った。
「10年間大事にとっておいた弾を無駄にするとはな。」
「無駄にはしてない。」
ウィルが自分の血をつけた金貨とスパロウが渡した金貨を箱に落とした。
バルボッサの白いシャツが血で赤く染まっていく。
「感じるぞ…寒い…。」
バルボッサはゆっくりと話し剣を落とす。
私は反射的に傍に駆け寄った。
「ああ、ヴィクトリア…。お前は綺麗に微笑む…。」
バルボッサは伸ばした手を私の頬にかすらせて倒れた。
海賊として生き、海賊として死んだ男の姿を私は最後まで目に焼き付けた。
「ヴィクトリア!!」
突然後から話しかけられて振り向くとエリザベスが立っていた。
「もう終わったの?」
「ええ。やっと終わった。」
「ドーントレス号に行きましょ。」
エリザベスに腕を引っ張られ、半ば強引に歩かされる。
「でも、もう私は…!」
「行きましょ。みんな心配してるわ。」
エリザベスの笑顔に、長時間の緊張から解放された。
174人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Caesar(プロフ) - ティコ。さん» 返信遅れて本当にすみません!!m(_ _)m面白いという御言葉すっごくありがたいです!!ありがとうございます!!!更新頑張りますね! (2018年3月1日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ。(プロフ) - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください!あと、1つ質問なのですが、名前は固定ですか? (2018年2月28日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» 追記:本当にありがとうございます! (2017年8月7日 21時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» あれ見たらファンになっちゃいますよね!その気持ち凄く共感できます!! (2017年8月7日 19時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
むらなか(プロフ) - 私もパイレーツファンでいつも楽しく読ませていただいてます。更新楽しみにしてます!笑笑 (2017年8月7日 17時) (レス) id: ce8b8b5d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ダージリン x他1人 | 作成日時:2017年7月1日 15時