調理場の窓 ページ19
部屋の中は静まり返っているが、荒波の音が遠くに聞こえる。
ドアが開く気配はない。
あぁ。油断した。
まさかウィルがこんな強硬な手段に出るとは思わなかったからだ。
__遡ること、5分前__
広い海を横断し、暫くすると天候が変わって海が荒れだした。
恐らくは死の島に近付いているという証拠なのだろうと勘づいた。
「嵐が来たぞ！！」
和やかな歓談や呑気な歌声が響いていた船内の空気が張り詰めていく。
激しい雨や風が横殴りに吹き付ける中、私の緊張は最高潮に達していた。
気を引き締めて髪を三つ編みに縛っていると急にウィルに話しかけられた。
「ヴィクトリア。島に上陸したら何も食べられなくなる。その前に一緒に林檎でも食べておかないか？」
「奇遇ね。私も丁度小腹が減った所なの。」
考えてみればこの時からどこか挙動不審だったが正論だと思い、調理場へ向かった。
そして部屋に入った途端ドアの前に重りを置かれてこの始末だ。
最後の言葉は「すまない。君を死なせたくないんだ。」これだけだった。
どんなに力をかけてみても、ドアはびくともしない。
それに大勢の海賊相手に二人で行くなんて無茶だ。
すぐに捨て身だとわかった。
ウィルは一端の鍛冶屋だ。エリザベスという幼なじみのために、命をも惜しまないつもりなのかも知れない。
頭をフル回転させて何とかここから出ようとすると、空になったワインの樽と調理場についた窓を見つけた。
正確に言うと窓ではなく、明かりの確保のために作られたただのガラス張りだったが私は迷わずガラスを割ってワインの樽を持ち、そこから飛び降りた。
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Caesar(プロフ) - ティコ。さん» 返信遅れて本当にすみません！！m(_ _)m面白いという御言葉すっごくありがたいです！！ありがとうございます！！！更新頑張りますね！ (2018年3月1日 19時) (
レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ。(プロフ) - めっちゃ面白いです！！更新頑張ってください！あと、1つ質問なのですが、名前は固定ですか？ (2018年2月28日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» 追記:本当にありがとうございます！ (2017年8月7日 21時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» あれ見たらファンになっちゃいますよね！その気持ち凄く共感できます！！ (2017年8月7日 19時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
むらなか(プロフ) - 私もパイレーツファンでいつも楽しく読ませていただいてます。更新楽しみにしてます！笑笑 (2017年8月7日 17時) (レス) id: ce8b8b5d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ダージリン x他1人 | 作成日時：2017年7月1日 15時
