ほわいとらんぺいじ。3

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樹 side









男「ほーくーとーくーん、いい加減そいつから離れてよ？…じゃないと俺、2人共殺しちゃうよ」



「殺すなら俺だけでいいんで」



男「カッコつけんじゃねぇよっ！！」



北「っ、！！」



男「てめぇら2人共ぶっ殺してやる！！！」



北「樹っ、！」



「北人さん、逃げて」



北「樹、」



「いいから逃げろっ！！」



北「やだっ、やだやだやだ！」



「早く！」



北「やだ、絶対やだ！」







嫌だと喚く北人さんを怪我させない程度に突き飛ばした。







北「っ、樹…！！」



「早く警察！呼んで！」



北「わか、わかった…！」







北人さん番号分かるのかな、なんて男から逃げている合間にそんなことを考えていた。










北「樹！呼んだ！！」



「…っ、ありがとうございます、！」



男「呼んだって無駄なんだよ！警察来る前にお前ら2人共地獄行きだ！！」



北「樹っ！！」







やばい、と思った時にはもう男のナイフが右足に刺さっていた。







「ぃっ、！！」



男「今度は左〜！」



北「樹！逃げてっ、！！」



「ぃぁっ！！！」







足を両方刺されたら、もう逃げるなんて選択肢何処にもなくて。



必死に手を使って逃げてたけど背中に壁の感触がして終わりが近付いていると分かった。







北「樹っ！樹！！」



「…北人さん逃げて！」



北「やだっ、やだよ樹！樹が刺されるくらいなら俺が…！」



「北人さん大好きです、愛してます！だから早く何処か安全な場所に逃げて！」



北「そんなの、そんなの無理だって！」



「早く逃げろっ！！」



北「樹っ…樹、」







最後に見るあなたの顔が涙でぐちゃぐちゃだなんて、付き合い始めた頃の俺は思ってもなかったな…





そっと目を閉じて、祈った。



北人さんが無事でありますように…と。







北「樹っ！！！」







絶叫にも近い北人さんの声を最後に、俺は意識を手放した。





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