ほわいとらんぺいじ。3

◇ ページ21

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北人 side










「…意味分かんない、」







ほんとに今更すぎる。



…付き合ってた頃に、健太さんの本音を聞きたかったというのに。





立つ気力もなくなって壁を伝ってその場にしゃがみ込む。





俺の心をこんなにも乱す人は、きっと後にも先にも健太さんしかいない。



…だからこそ、出逢いたくなかったんだ。










壱「北人？」



「っ、…壱馬、どうしたの？」



壱「それはこっちの台詞やわ…」







楽屋に戻りたくなかったから暫くその場でぼーっとしていたら壱馬が飲み物を買いに来たのか、俺の存在に気付いてしまった。





よいしょ、と俺の目の前でしゃがみ込む壱馬。



俺の顔を見た途端、目を見開いた。







壱「…何で泣いとるん、？」



「な、いて…る？」







壱馬に指摘されて初めて自分の頬が濡れていることが分かった。







「っ、何でもない！大丈夫、！」



壱「何でもないわけないやろ？こんなとこで1人で泣いとるのに大丈夫なわけあるか」



「…ほんとに、大丈夫だから」



壱「嘘つかんで」







有無を言わせないその鋭い瞳に負けそうになる。



それでも、自分が泣いている理由を言う気にはならなかった。







「ちょっと体調悪くて、…熱っぽいからたまたま涙出てきただけ、！俺もう戻るね、」







適当に嘘を並べてその場を去ろうとした。



でも、何故か分からないけど壱馬に腕を掴まれて抱きしめられた。





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